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青竹で筏を組んで燃えながら

今日はお父さんの遺品を燃やす
ために千葉の東の原っぱに来ました
収穫を終えて土が均されている畑で
雑草を焼くから という便りをもらって
燃やせるものをその場でより分け
燃やせないものは引き取ってもらえる
というので遠くへ車を走らせました

自動車道の終点ひとつ前の出口から
川と線路の間の道をしばらく行った
所です

線路伝いに林が垂れて電線の
すぐ上まで迫ってきている
すっかり晴れて空澄み渡る

ごく小さな水門が田へ水を渡らせる
その水溜升の中に小魚が群れて
光瞬くのがひら打ちと呼ばれる光景

「壊れることも想定した父の遺品は
大きなシートに包んであって固く
乾いた音を後部座席で立てている
その中にはとっておきたいと思える
ものが一つも無かった といえるほど
気持ちが突き放されるでもなく悔しい」

という内心の描写とはかかわりなく
この細い国道は左に川 右に山林と
農地 ときおり古い町の中という
景色を跨いで 海へと注いでいるのです
海の北には灘があります しかし
海まではいきません 筏で燃やす
遺品というわけではないのです

ところでこの川というのは利根川
筏で燃やすというのは精霊流しか
利根川で精霊流しというのは聞いた
ことがない

青竹で筏を組んで燃えながら川
下り

>青竹や燃ゆる筏の川下り

青竹は夏の季語 川下りは季語
ではない セーフ
筏については
花筏
初筏
が季語 筏単体では季語セーフ
(何がセーフかというと俳句には
季語が二つあってはいけないという
決まり)

俳句は全くの守備外だけれど
死ぬまでに百句くらいは書けると
いいな と  surな


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