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詩のように書いたもの

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行あけで詩の形を借りて書いたものです 詩になっているかどうかはわかりません 現代詩ではないと思います
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#短文

麻酔と現代詩

私ですね 動画を渡り歩いていたら 麻酔 に関する動画に行き当たる 手術前 多分 白い鎮静剤 …

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魔女

中学の時 しゃべらない女子がいた 完全にしゃべらないわけではないが 基本的にはしゃべら…

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詩についての詩のようなもの

思う存分ご執筆を と言い残して妻が出かけた ところが別段何があるでも心の中は虚ろだしね …

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模倣の光学

汎用の嵐に 動作の帯 経験かまびすしく キミをつれて 玉砕の丘 不動の夕焼け 虹高くキミ仮…

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模倣の光学3 リコリス

リコリスの花乱れ咲き 夜鳥に紛れて辛く行きかう 左の手綱に引かれるように 星団が逝く東の…

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ダキシメタイソシテ

負けが込んで もうどうにもならない 絶望の先に 何もない青い影が見えてきた どうか こ…

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記憶の桃

そのバスは廃止されたんですよ とバス停に人が待っていれば 声を かけたかったが バス停には誰も待っていなかった 柑橘の生っている木の横を歩いて 庭に果物を植えるのは品がない という人もいるよ と 話しかけてみたかったが 誰も横 歩いていない あの階段の上の茂みに紛れて 桃がしだれて咲いていた 今は枯れてしまったようなので 記憶の桃を補いつつ見た 変な やけどしそうなキノコ 花はそんな咲き方をしていた

フェイク現代詩 春の韜晦

陽動する日々の眩い 困惑と期待の入繰は いつ引き起こされたか分からぬ 僅かな過去を倒立させ…

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週末 彼岸に行ってきた

どこも混雑してますからね 週末ついにあの世に 行ってまいりました ねたきりだったお…

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無縁

私の書くものくらい 苦しみと無縁でいたい 私の書くものくらい 悲しみと無縁でいたい 慈悲も…

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秋の特別な

秋の おしっこしたら 代わりにざくろのほぐされた実の 粒がぽろぽろと排泄された きちんと排泄…

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図書館を訪ねた日

図書館を訪ねた日 娘に 確認の メールをした 図書館を訪ねた日 の翌日 借りた本にはゆきずり…

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雨どい

いちどつながったえんというのは きれたとしても きれたようで ほんとうはつながっているんで…

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茶碗割り

実家の庭は ほぼ八割が駐車場で 井戸のポンプとモルタルの小屋がある 水道がひかれていない頃の 名残で 井戸は洗車と水撒きに つかう ピロリは多分この水で 感染したのだ 除去しようとしている 間に勤めを辞めてしまったので うやむやになってしまった 父がすでに死んでいたから 生きているより辞めやすかった いうことを聞く必要はないのだけれどいつもの 諍いになるのが嫌だった 父は口寂しさに煙草を吸って 茶を飲んだ 私は吸っていた煙草を所帯を 構えるにあたってやめ