模倣の光学3 リコリス
リコリスの花乱れ咲き 夜鳥に紛れて辛く行きかう
左の手綱に引かれるように 星団が逝く東の永遠へ
心深くにキミを潜めて 幾夜の旅に命を焼べた
今広がるは秘法の果ての 空が降りるよ声さながらに
リコリスの丘そぞろ歩けば ともに愛した紅蓮の扉
風の要素に日々振り返り 見渡すはるかな過去の稜線
キミ手を取れば砂と溢れて 幾多の時に神々を見た
熱い大地の発光の岸に 波打ちよせてキミを眠らす
リコリス枯れる冬がまた来る 九月は遠い薄暮の記憶
荒波を理と世界を諭し 右の手綱に夜叉手繰り