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3行短文(詩?)を提唱します

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4文字または4音 4節 3行 定型短文(詩?)を提唱します この方法による作例を 提示していきます
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2020年7月の記事一覧

熱帯 五篇

いまでは 年をとっ てしまった のだから 腰のあ たりがふっ とあつく なるのが 快楽 のかたち とかみし めている うらない 師だった わたしの おじきは にのうで 撃たれて 啓示を 受けたと 傷口 見せては 嘘だと わらった 最後に 残った 高炉の 周りに 熱帯 の花が さきみだ れるのを 写真に 撮るのは 禁止と なります 強盗 みたいな 風のふ く日には すっかり 片方 をむいた 枝葉に つよくな がれる樹 液をあ びたいか 夏のこ とだけと

死んだら 五篇

小海老の 脱皮を 見届け たいなら 小海老の 都合に 合わせる 必要 あるのに 世界の いらだつ 若人 狂える ものなら 狂って みろよと 死ねるも のならば 死んだら いいよは ふたつの ベクトル 違いの あいさつ しあわせ かどうか そのしつ もんには こたえる 義務ない そんなこ ときくな ばかたれ 火事場に おくれる じゃないか ちかごろ よくみる ははのじ っかのゆ めにでて くるかお くはいつ もボロボ ロされど きにせず 連泊 してゆく とま

ぶらんこ 五篇

のりかえ まちでは おおくの 不平や 不満の 言葉を 耳にお しこまれ かささぎ のように ひざをお りまげた おとしよ りからも らったお いもです ぶらんこ にのった 少女と 一緒に たべたか ったが手 のなかで 冷めてく つたえる ふりして てくびを にぎって まねきい れるのが ほんとに うまくて おかげで 一文 なしです ほんとに 倒れた 扉の 置かれた 草地に ゴンドラ をおいて そこでく らしたい 倒れた 扉は 立てかけ ておいて こどもの ころをし る

みずいろ 五篇

ウルトラ ゲームの 時間が 来ました 時間が 交通 手段を 持たない ゲームの うまみが ウルトラ 来てます まひるの ひごとの あせをぬ ぐっても ろくがつ のあせは なかなか ひかない ながれる 新芽の においを 敷き詰め 田町の 駅から あるいて 来ました よくわか らなくて もなんと かなると わらって そのあと すこしな みだぐむ わすれら れないこ とのおお くはつら いできご ととむす びついて いるとは にほんの ふこうの みずいろ はふかい

寿命 五篇

ドレミファ ソラシド 来ている ゆびさき ももいろ がすりの むかしの こどもが 雨降り かなでる ピアノの 音階 むらさき いろした きのこの 群生 ここはど こだろう 薄着で 泣いてる こどもの あたまが ぐっしょり 濡れてる フルート 吹いてた 妻には 再び フルート 吹くこと おしつけ られない なにもお わらない フルート 吹いても ぺらぺら 文とで もなづけ ましょうか へらへら 言われて にやにや している いまにあ んたなぞ 寿命で し

風鈴 五篇

とどかぬ ところに おかれた 小箱は なにをか くしても 不思議は ないから できれば わすれた ほうがお もしろい 帯広 畜産 大学 出身 熊本 大学 医学部 出身 どちらに キリンは 傾く だろうか 視界の 端でゆ れている オレンジ こわくて そちらに めをむけ られない 傘にさ らわれる ゆめをみ そうだよ 路側帯 からは 離れて 走れと 車に 乗るたび ささやき 続けて 口がに がくなる 窓をぜ んかいに やめてと こめての ひともじ

老人 五篇

頭上の ボートに レンガを 積んでる 月夜の 手下に 密書を 持たせる 私の 手足に すがひろ がってゆく 毛虫が ふさふさ 落ちる木 のしたで むしをふ りはらい さくらだ からねと 老人 ふたりが ことばを かわした しぐさを まねして こどもが ゆびふり まゆをし かめてく ちをとが らせうか んできえ たのなん のゆめみ ただろう 山崎 恵梨香に 手紙を 書いてる あいだだ けいきか えるしん だあにき のことは いまでも 軽蔑 している グーグル マッ

疑問符 五篇

ラッキー カラーの 緑で かためた 女が 夜道で ひき逃げ された 翌朝 に知ったよ 今日のい ろは赤 ことばに してみる くせはそ のままに なんぎを してきた だろうに かしげる くびのか くどまで かわって いないね とぎれる 会話の 合間に 打たれる 疑問符 それから アポカリ プスなど 気にして いたから ひとりで 病んでる あだなと 写真で アルバム 作って バツマル つけたり 備考を かいたり 人類 類型 化計画 進まず わたしだ

修行 五篇

かくした リボンは 手元に 持ってる 黄色い リボンが 蛇の目い ろになり 飛び去る ときまで 手元に 持ってる 蛍の 柱を みてみた いのだが みられる 地方を 街でた ずねてる ギターを かかえて ぽろとも 鳴らさず 記念 公園で 記念を 気にせず こどもが ひとしき りあそん だあとの 小石を つみあげ 記念碑 としたい うすぐも りのひに やくそく したのは 日ごとの 剃毛 それから 菜食 僧侶の 修行に 似ている というな ほら見て ここだよ 恋

季節 五篇

しずまり かえった 会社を 最後に 出るとき 奇妙に 胸がざ わめくが 心理の 負担は 評価が されない 家をで るときに 音楽 流すと 防犯 になると いうより 除霊と いってた ここでは にながあ ったのか 誰かの 笹舟 流れて いったか それとも 途中で たまって いたのか 夕食 のときに 今日こそ 訊き出す 桃色 縛りの 花のて んじかい やぶった 青バラ 一輪 凛々しく 異をとな えるとは こういう ことかと つぎから つぎから 季節は くるのだ 同時

確執 五篇

夜中に 誰かが ブランコ 漕いでる きしみの おとがこ こまでも 聞こえる 録音 したので きいても らいます のぎへん をすてて なまえを かえたら 祖父との つながり たちきれ るのかと 確執 もなくと うにしん でいるが まもると せめると いう名の 兄弟 なんでこ んななま えにした のかとは きけない だれがな づけたか しらない 質問 ばかりで すこしつ かれたな ひとりご とにはこ たえなく ていいよ こたえる ばかりで おわるの 嫌だな

暴力 五篇

こころ と やけどが おでこに のこって 焼印 おされた 当時の ことなど おもいだ したくな いはずだ ろうにね すべてが 暴力 触れても 暴力 呼吸を している だけでも 暴力 暴力 承知で いきるの だろうが 背筋に ながれる みずがひ としずく すみわた るそらを みあげて 感じる 覚悟の 理由を 少女は しらない 仕返し よそうか 気持ちは わかるが 私は 止めたよ 爪もの びてるし 紫 色した ドレスも 着たいし とおくと ちかくの

散歩 五篇

したたり 落ちてく 窓のあ まつぶは とぎれる ことなく いまはな がれてる 交差は してない 雨はつ よくない 飼えない 猫なら 放置で いいのと 庇を 貸してる のらねこ みながら フードの 袋を だきしめ ていたね 散歩が したいと それなら すればと 浮気が したいと それなら すればと いちにち くりかえ している ふたりで 短歌は 夏にに あうきが していた 俳句は 秋にに あうきが している 冬春 おまえは 詩人に はなるな 切手に 描

欲望 五篇

きぬずれ の音の 録音 されてる テープを 配って あるくと 言ってた 欲望 ついえた あなたの 消息 こえびの 脱皮は 夜中に なされる あるいは 明け方 殻だけ 残され 恥じらう かたちに まつもに まぎれる 木の幹 揺さぶる 昆虫 少年 おとした たからの かぶとや くわがた 夏のお わりぎわ 窓から 放った ぱたぱた 飛ぶのは 蝙蝠 だったと 気づいた ときには 夏もお わりつつ これから ぼらがか わもから 飛び立つ 漁りに 出るのは