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この世界で、『母親』が健やかに働くために

こちらのツイートがきっかけで、色んな方から反応をいただいた。

がみさんはnoteまで書いてくださった。

ことの経緯を手短に。

先月、なんとなく理学療法士協会の新人教育プログラムを履修しようと思った。コロナの影響で、通常は会場まで直接、足を運ばなくてはならないこの研修会が、今だけeラーニングで視聴できるのだ。

で、その中に『理学療法における関連法規』という講座があり、どうにもこうにも聞き捨てならない一言があった。

何年か前に、女性の理学療法士が「妊娠を理由に管理職から降格された」ことを不服として訴えたところ、それがパワーハラスメントとして認定され、訴えられた病院側に処分が下った、というニュースがあった。おそらくその影響であろう。『理学療法における関連法規』では、労働基準法から始まり、妊娠・出産に関する休暇の申請制度や補助金について、事細かに説明されていた。妊娠してから出産するまで、女性の身体にどのような変化が起きるかについてまで、スライドを2枚ほど使って説明されていたのには驚いた。

そして、産休・育休制度などの説明の際、ツイートの“聞き捨てならない一言”が飛び込んだ。

『お互いに気持ちよく働けるよう、権利を主張しすぎないように注意しましょう』

これはスライドに明記されていたわけではなく、女性ナレーターの原稿の一部としてさらっと読み上げられたものだった。

「ああああ゛ーーーーーーーん?????」

何をどこまで主張したら、“主張しすぎ”になるのか、ちょっと詳しく説明して欲しい。咄嗟にわたしの中の何かのボルテージが急上昇した。

そうは言っても、お金も払ってるし新プロはきっちり終わりたいので、大人しく最後まで動画を視聴し、確認テストに60点で合格した。そして件のツイートをし、たくさんの方から反応をいただいた。


元より、わたしはこのテーマに関して思い入れが強い。『女性』特有の生きづらさについて思い悩むことも多いけど、どちらかというと『母親』という言葉の呪縛の方が怖い。以前、こんなnoteを書いたこともある。

この数年、色んな人の話を聴いた。色んな人に主張してみた。当時の職場環境が良くなかったのも重なったりして、めちゃくちゃに迷走した時期もあった。そんな中で、なんとか再就職に成功し、娘も少しだけ成長して手がかからなくなり、さらにはコロナ禍で夫が在宅ワーク中心になったことでかなり時間に融通がつくようになり、運の良さもあって、今はちゃっかりフルタイムで安定して仕事をしている。

よく言われる。
「旦那さんが、保育園の送り迎えしてくれるんだね、すごいね」
「(夜に外出していると)いまは、旦那さんが娘さん見てくれてるんでしょ?」
「子どもがひとりだと、やっぱり違うよね」とか。

もう慣れた。いちいち怒るのが面倒になった。「はーい、そーでーす、わたしはラッキーだったので、思い切り仕事して、夜に飲み歩いたりもして、でも子育てもして家庭もあって、幸せでーす」みたいな顔をしておけば、変な波風は立たないのだ。少し前なら陰口の一つも言われただろうが、いまはそんな時代ではない。

そして、いまのわたしは“目を逸らす”ことで落ち着いている。何年か前のわたしが見たら、なんて言うんだろう。わたしさえ良ければいいんだろうな、って思ってしまう。ちょっとダサいしモヤモヤする。

別にいいのだ。その辺にいる老若男女を捕まえて「ちょっと日本の子育てと仕事について話しましょーや!!」と誘ってみればいい。いいんだけど、そうやって意見を求めると、「理解のない社会が悪い」とか「そもそも育児に協力的じゃない夫たちが悪い」とか、「そんなこと言ったって仕方ない部分はあるよね」とか、前向きな意見をもらえた試しがない。愚痴っぽくなったり、絵に描いた餅みたいなアドバイスをいただいて終わったりする。わたしの聴き方が下手なんだろうな、と思う。そうやって、ほんの少し絶望するのに疲れた自分がいるのもまた事実だ。

「じゃあ一体、何をどうしたら『母親』が働きやすい社会になるの?」と。誰かに聞いてみたい。とりあえず“働きやすい”の定義から始めて議論したい。社会の範囲も決めておいた方がいい。

本当に、どうしたらいいんだろう。答えがないのはすごく苦しい。せめて、自分の手の届く範囲を変えていきたいと思う。それはたぶん、医療の現場であり、理学療法士の仕事であり、SNSで繋がった素敵な人々がいる世界のことなんだと思う。

正直、自分の環境はなんとかなった。たぶんこれから先もめちゃくちゃ大変だと思うけど、なんとかやってみようと思えるくらいの気概はできた。でも、それはまだ道半ばであって、そしてわたしの見える世界は『母親』が働きやすいと思えない。


そんなこんなで、思いの丈を遠慮なく書き殴っていたら、我ながらとんでもない駄文になった…

がみさん、なんだかごめんなさい…


とはいえ、何が言いたいかというと、ちょっとこのテーマ、どなたか真剣に話し合ってみませんか???ということです…




読んでいただきありがとうございます。まだまだ修行中ですが、感想など教えていただけると嬉しいです。