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マイルス・デイヴィスのAtoZ「K」  「Katia」

「K」の一番は「Katia」です。実は「K」で始まる曲は案外少なくて、あとは「Kix」ぐらいしかないんですよね。選択肢が少ないので、これを選ばざるを得ないといいますか・・・。まあ、たまにはこういう場合もあります。

ジョン・マクラフリンのギターソロがフェイド・インして始まります。マクラフリンはマハビシュヌ・オーケストラ、シャクティ、スーパー・ギター・トリオなどで活躍した超バカテク・ギタリスト。マイルスとも多くの共演機会があり、何と言っても「ジャック・ジョンソン」での頭からガツ〜ンとくるギターが印象的。カティアというのは、マクラフリンの奥さんの名前で、マイルスの曲によくある「名前シリーズ」の中の一曲です。ジャズの曲名なんてテキトーにつけているものが多いので、あまり意味はないと思われます。ちなみにカティア・ラベックは日本でも話題になったラベック姉妹のお姉さんです。美人ピアノ・デュオが奏でる「ラプソディ・イン・ブルー」は衝撃的でした。今はもう離婚しちゃってるみたいですね。

マイルスのトランペットは最初の方、深いエコーがかかってオフ気味にスタート。遠くで吹いている感じ。だんだん近づいて来て演奏を盛り上げます。各人のプレイは申し分ないんですが、シンセの音が古びて聞こえるのが難点。中途半端に新しいのが逆に古さを感じさせます。1940〜50年頃の圧倒的に古い演奏、録音であればノスタルジーと共に聞けるんですが、中途半端はダメですね。

https://www.youtube.com/watch?v=5piPBgYZffw

ところでこの曲はアルバム「You're Under Arrest」に収められています。マイケル・ジャクソンの「Human Nature」やシンディ・ローパーの「Time After Time」といったポピュラーな曲を演奏して話題になりました。どちらも超名曲なんですが、個人的には当時「なぜこの曲をマイルスが?」と不思議に思ったものでした。あまりにもコマーシャルすぎるのではないか、と。その後のライヴでもよくこの2曲を演奏していました。しかし、最近になって、これも悪くないかなと思い始めています。そもそもジャズのスタンダードになっているナンバーも、元々は映画音楽や昔のヒットソングなんですよね。これらのオリジナルは、既に40年も前の古〜い曲ですから。十分、スタンダードと呼ばれて間違いない作品です。

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