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マイルス・デイヴィスのAtoZ「C」  「Come Get It」

この一曲を選ぶのに苦労する場合もあるし、すんなり決まる場合もある。「C」は後者で、アルバム「Star People」に収録された「Come Get It」に即決!

何と言いますか、カッコイイにもほどがある。マイク・スターンのグワ〜ンと響くギターに続いてパーカッション軍団とマーカス・ミラーのベースが唸る。マイルスがなかなか出てこない。と思ったら最初の方はシンセを弾いているのですね。トランペットで登場するのは2分30秒の辺り。この時もう既に最高潮に達しているわけです。まさに帝王の降臨。この音源はライヴとのことですけど、お客さんは大喜びだったろうなあ。

YouTubeの音源を貼っておきます。できれば、それなりの音量で聴くことをお勧めします。

https://www.youtube.com/watch?v=PDp1qBLhPN4

ライヴ演奏は、ミスがあったり、録音状態が良くなかったりするものの、それを上回るグルーヴがあるので見逃せない。このテイク、後半ちょっとペースダウンするのと、終わり方が中途半端(※)なのが残念だけど、文句を言ってはいけない。間違いなくマイルスのカッコイイ演奏ベスト10に入ります。
(※)たぶんメドレー的に次の曲に続くところをブツッと切ったのでしょう。


ギターのマイク・スターンとベースのマーカス・ミラーは、このアルバムを最後に、ジョン・スコフィールドとダリル・ジョーンズにバトンタッチする。カムバックしてからのマイルスは、このアルバムまでが良かったなあ。ジョン・スコも嫌いじゃないんだけど。

「C」の次点は「Concierto de Aranjuez(アランフェス協奏曲)」です。ロドリーゴ作曲のクラシック作品をギル・エヴァンスが編曲した大作。まあ、何度も聴くタイプの作品ではないんだけど、重要作ではあります。

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