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マイルス・デイヴィスの「N」「Nefertiti」

ジャズの世界で数多くの革新を成し遂げたマイルス。中には「なんじゃ、こりゃ?」な作品、演奏もある。この「Nefertiti」なんかもそれに入るかも。
まず、このテーマのメロディ、変でしょう。(マイルスではなく、ウェイン・ショーターの作曲ではあるのだけれど。)ふわ〜っとして、つかみどころがない、と言いますか。まずは聴いてみて下さい。

https://www.youtube.com/watch?v=s4QMU8CVlpM&t=85shttps://www.youtube.com/watch?

ネフェルティティというのは、エジプトのアメンホテプ4世の妻の名前。この胸像が有名ですが、実態は謎に包まれています。


ネフェルティティの胸像

というわけで、ミステリアスな雰囲気を表現したものなのでしょう。

それはさておき、マイルスの実験は、普段アドリブを奏でるリード楽曲のトランペットとサックスはテーマを繰り返すのみでアドリブなし。代わりにリズムセクションであるドラム、ベース、ピアノがアドリブを繰り広げるというもの。言われてみれば確かにそうだけれど、最初に聴いた時は分からなかったなあ。これが成功しているのか、失敗だったのかは別として、アルバム「Nefertiti」の冒頭にあるこのタイトル曲、アルバムの中で一番印象に残っているのは確かなのですね。「Pinocchio」とかカッコいい曲もあるんだけど、とにかくこの不思議な演奏は頭に残ります。

そしてアルバム「Nefertiti」は、マイルスのアコースティック時代最後を飾る作品となってしまいました。次の「Miles In The Sky」ではエレピ、エレキベース、ギターを使用することになるけれど、単に音色の違いだけでなく、楽器のフレーズ、作品の雰囲気もガラッと変化します。良くも悪くも、吐きそうになるくらいの緊張感というのは薄れてしまいます。

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