マイルス・デイヴィスのAtoZ「G」 「Gingerbread Boy」
「G」で始まるマイルスのベスト曲は「Gingerbread Boy」です。
いつも怒っていて不機嫌そうなマイルスの珍しく微笑んだ写真がジャケットの「Miles Smiles」のラストに収められたナンバー。これ、ジャケットに騙されてホンワカした雰囲気なのかと思いきや、徹頭徹尾、緊張感を強いられる演奏ばかり。曲のテーマ部分も、50年代みたいにシンプルで誰もが口ずさめるようなメロディではない。(例えばソニー・ロリンズの「セント・トーマス」やアート・ブレイキーとジャズメッセンジャーズの「モーニン」みたいな。)
BGMには向きません。スピーカーの前にどっしりと構え、音楽に対峙すべき演奏。前作「E.S.P」で感じた軽やかさは既に影を潜め、凄みさえ見え隠れします。1年10ヶ月程の間に何があったんでしょうね。
しかし、これは間違いなくいいアルバムです。全ての演奏がイイ!5人のアンサンブル、ソロ、完璧でしょう。うーむ、いい演奏の、どこがどういいのかを説明する語彙が見当たらないのがもどかしい。聴いていただくのが早いでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=Jbs_-BobfOs
後年リリースされたブートレッグ・シリーズでも演奏しています。
ちなみにこの曲の作者はジミー・ヒース。この曲の作者であること以外、知りません(汗)。あと、タイトルは人の形をしたクッキーのことでいいのかな。ジンジャーブレッドマンっていうやつ。
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