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コケコッコー、ニワトリを潰す、その前に | Zen Sounds 撮影日誌 #04

「鶏を潰して、食べませんか?」

友達から誘ってもらった。「潰(つぶ)す」とは、鶏・豚・牛などの家畜を「屠殺する」ことを意味する言葉。初めて聞いた時は濁音を含む響きにギョッとしたが、家畜を飼っている人たちが身近になった今では「新鮮な肉が食べられる」と食欲をかきたてられるようになった。

とはいえ、友達がかわいがって育てている鶏です。みんなで食べる前に、ここに確かに生きた記録を残してみよう。

ということで、朝6時に起きて出かけてきました。到着してから友達が売っている焼き芋とコーヒーをササッといただき、すぐにカメラセッティングを開始。気温5℃、手がかじかんで三脚のベースプレートを取り付けるのにひと苦労しました。

鶏小屋の中をなるべく広く撮れるように、カメラは入口の際にセット。三脚をめいっぱい広げて、鶏の目線に対して水平になるように低く構える。レンズは24-105mmのズームレンズを短く、30mmあたりで撮ったはず(メモ忘れたけど、35mm単焦点では狭かった)。S-Cinetoneで撮りました。記憶が間違っていなければISOを100程度に、絞りはF4、だったはず(メモ忘れた)。ホワイトバランスは5300Kだったかな?5600Kより少し下げたことを覚えています。

フォーカスはオートにして、ピントを細かく動かしたくなかったので、ゾーン指定の真ん中置きに。オートフォーカスを普段使わないので、「AFトランジション速度」や「AF乗り移り感度」の設定をしておらず、今回は両方とも「5」になっていました。もう少しゆっくりなめらかに移行してほしかったので、トランジション速度の数値を下げておくべきでした。次回から気をつけます。


撮影を開始したのが8時になってしまい、通勤を急ぐ車がひっきりなしに通るので録音は厳しいか、と不安でした。でも、鶏たちに対してゼロ距離と言える位置にマイクを置けたので、入力を絞ることで鶏の声以外を除くことができた気がしています。どうでしょうか?

小屋の中を動き回る彼らの位置が、どの画でもバッチリ決まった構図になっているのが不思議です。作為が自然に勝ることはないのかも。

雄鶏の「コケコッコー」は、騒がしいノイズとして捉える人も多いかと思いますが、白い息と共に響く彼らの存在証明を、まるで鶏小屋の中にいるかのような定点映像で見ていると不思議と目耳が引き込まれます。入眠や集中の用途としては役立たずかもしれませんが、なにも考えずにボーっとしたい時に流してみてください。世界にはいろんな朝があります。

【後日談】潰すのは中止になりました


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