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📖 Know_65冊目 📖


作者:野崎 まど

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建物や車、果ては自然までが「情報」にアクセスするために「IoT」化した未来。
その世界では、人間は脳に「電子葉」と呼ばれる装置を埋め込むことで、パソコンやスマートフォンを使用することなく、身の回りにある、あらゆるものを媒体に「情報」にアクセスすることが出来る。

社会的な地位が上がれば、アクセス可能な情報は広がり、社会的な地位が低い人たちは一切のプライバシーを守ることができない。

物語は、世界を変えるきっかけとなった「電子葉」を発明した天才科学者<道於>と幼い頃に彼と出会い、科学や情報の世界に魅了され、<道於>の背中を追い続けた<御野>、そして「電子葉」を発明した後、社会から姿を消していた<道於>が姿を隠しながら営んでいた孤児院で暮らしていた<知ル>の3人が中心となって進んでいく。

人間の欲は進化の先に何を求めるのか。
全てを「知っている」ことは、幸せなのか。

内容を楽しむだけではなく、読了後に壮大なテーマについて考えさせられる小説です。

ともすれば、現実に訪れるかもしれない近未来SFこそ、野崎さんの十八番だと感じる。
そんな未来になった時、あなたならどうするか。
そんな未来に向かっている現在を、どのように変えていくのか。

野崎さんの小説は読者に強い衝撃と確かな変化を与えることから「読む劇薬」と言われている。

「バビロン」「TITAN」など、人気作品も多いので、SF小説とは縁がない方も、ぜひ一度手に取ってみて欲しい。

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