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ウクライナ穀物輸出、第1便出港:「希望の光」

原文:https://jp.reuters.com/article/us-ukraine-crisis-idTRNIKBN2P70OC

5ヶ月ぶりにウクライナの穀物の貨物船がオデッサ港から出港した。これはトルコと国連がロシアとウクライナの間での穀物と肥料の輸出協定を仲介したことによるもの。ウクライナのゼレンスキー大統領はこの出荷は、世界の食糧危機の深刻化を食い止めるチャンスがあるという最初の兆しであるとコメント。

ウクライナ侵攻により、世界の食糧とエネルギー供給が阻まれている。国連は今年、複数の飢饉が発生し得ると警告。今回出港したラゾーニ号はロシア海軍が支配する黒海と、地中海を結ぶボスポラス海峡を通過後レバノンへ向かう。しかし海底地雷の除去や、船舶が紛争地域に入った後に貨物を引き取る為の環境整備等の問題が残る。

ロンドンの海事情報会社、ベッセルズ・バリューによれば、ロシアの黒海港の貿易は、4月に落ちこんだ後5月中旬に回復したものの、ここ数週間は微減している。各国は更に多くの船がラゾーナ号に続くことを希望しており、ドイツ外務省の報道官は、「深刻化する食糧危機の中で、これは希望の光だ」と述べた。

ウクライナの穀物輸出が大規模に再開されることへの期待から、シカゴの小麦とトウモロコシ価格は下落。ロイズ市場協会で海上保険・航空保険の責任者であるロバーツ氏は「新しい回廊を利用して航空路がウクライナから貨物を引き取りに来るには、輸送手順を含む主要な取り決めをまだ行う必要がある」と述べた。

今回の侵攻の初段階で首都キエフの占領に失敗したロシアは、ドネツクとルハンスクからなる東部ドンバス地域と南部の占領を目指す。南部で反攻を開始したウクライナは、流れを変えようと長距離砲を更に供給するよう欧米に要請を継続。同国は開戦以来、欧米の軍事援助と武器併せて数十億ドルを受け取っている。

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