雪の降らない日【sideレフティア】

こちらこちらの流れをお借りしています。

■お借りしました:テオさん、ルスカちゃん、ヴァロくん
 
 
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 嬉しいことばかりだった。仲良くさせてもらっているルスカとヴァロにこのイベントの最中も会えたことも、バトルを克服しようと努力しているテオの前に現れてくれたのが彼らだということも。
 ルスカからの誘いに期待の籠った眼差しに私は自然とヴァロに声を掛けて、ヴァロからの偽りなきやさしい返答にも思わず笑みが零れてしまう。ああ、私は本当に彼らが好きだ、と。
 
「一緒に、戦ってくれるかな」
 
 私にバトルを断る意思などなかった。むしろルスカとヴァロには感謝しかない。だからこそ私から何かを催促することはなく、テオの返答を待った。
 苦悩して、葛藤して、それでいて彼が一歩を踏み出して。その横に選ばれたことを光栄に思う。
 断る理由など、どこにもない。
 
「はい、喜んで」
「……あ、」
「やった〜〜〜〜〜!さっすがレフち!」
「きゃ、ふふ。わたくしもルスカさま、ヴァロさまとバトルしてみたかったのです」
「マ?超ハッピーなんだけど!」
「……大丈夫?」
「うん……大丈夫、ありがとう」
 
 こちらを見詰めていた瞳が揺れる。それに含まれた色は私にとってとても鮮やかなもので、それが見れたことを嬉しく思った。
 表情を和らげたテオが何かを発するよりも早くに、ルスカの明るい声が場を支配する。そしてまた抱き着いてくれるものだから嬉しくてやさしく抱きしめ返せば、満面の笑みのルスカの顔が至近距離にあってこちらまで幸せな気持ちになってしまった。
 その傍らでヴァロがテオを案じたように声を掛けて、テオが苦笑を零していたのが少し気にはかかったが二人も親しくしてくれている様相に安堵する方が強かった。
 
「では、わたくしはこの子で」
 
 テオはフェイの入ったモンスターボールを握り締めていた。だから彼が出すのはフェイなのだろうと想定して、それならばこちらはと私の手持ちの中で一番のアタッカーに選定が下る。
 やんわりとルスカの身を少しだけ離して、真っ白なプレミアボールを取り出した。雪のように美しいその中にいたキノスは、私の視線に爽やかに笑う。あなたならそう言ってくれるとわかっていたの。私の手持ちの中で誰よりもやさしいあなたなら。
 
「キノスでお相手致します」
 
 控えめにボールが開き、光を纏いながらキノスは私の背後に立った。軽く手を挙げて笑うキノスとはルスカとヴァロは私の買い出しに常にキノスが付いてきてくれていることから顔馴染みであるし、テオもクッカ・ムナで知り合っている。
 けれどもバトルをする姿は一度も見せていない。フィンブルジムでジムトレーナーとして勤める際にこおりタイプではないキノスを出すことはまずないからだ。けれどもキノスはバトルが嫌いという訳では無いし、むしろ。
 
「キノス、一緒に頑張りましょうね」
 
 キノスは場を見渡してから私を見下ろして頷く。
 そう、彼は酷くやさしい。バトルをする面々の成長を喜べる子なのだから____この場にはぴったりだ。
 
 
 
 
 
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▼参加登録ポケモンより、「キノス(カイリュー♂)」でタッグバトルを受けさせて頂きます!
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 バトルの形式や、バトル方針などについて変更や相談などありましたら他皆さまに合わせます!

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