招くもの【sideキラーダ】

こちらの流れをお借りしています。

■お借りしました:ソルシエールさん、ハイローくん
 
 
------------------------------------------------------------
 
 
 このイベントの何が楽しいのかしら。そんな風に思いながらもシャッルの意見を全てとするキラーダは彼に従順についていく。何故なら彼が好きだから。彼が愛しいから。彼が自分の世界の全てだから。狂気的で妄信的なそれすらも、彼女にとっては愛に他ならない。
 かといってシャッルからの愛情を求めている訳ではない。いや、シャッルはキラーダに愛情を注いでいるとキラーダ自身が理解している。その愛情がいつ消えてもおかしくないものだとも理解した上で、それでいいと思っているのだ。
 だからこそ今しがたシャッルにバトルを挑んできたソルシエールの手持ちのハイローはキラーダからすれば不思議だった。彼がトレーナーである女性に好意を抱いているのなんて初対面であるこちら側からしてもわかりやすい。その点はキラーダも自分と同じと思った。けれども、そこに嫉妬のようなものが生まれるかというとキラーダにはそういったものはない。だって、自分が一番なのだから。
 
「アタシのボーイは”イカサマ”はしない主義だ」
「おや、これは素晴らしい子がパートナーのようで。信頼関係の見えるものに、惚れ惚れしてしまいますね」
 
 いつものようにぺらぺらと口が回るシャッルの言葉にすらも、言葉遊びに慣れているであろうソルシエールは気にした素振りを見せない。ああいった手合いはシャッルがよく活動する裏社会にも多く見られるものだと観察していたキラーダだったが、少しばかり悪戯心が疼いた。
 ずっと引っ付いていたシャッルの脚に甘えるように擦り寄って見上げる。それだけでシャッルは理解したようで、にこりと微笑んだ。
 
「では、私はこの子に勝敗を託しましょう」
「可愛い子じゃないか」
「ええ、こちらも負けじと自慢の子でして」
 
 シャッルから了承の合図が出たのを理解してキラーダは彼の足元から離れるとフィールドへと歩みを進める。地続きの大地のフィールド。そこを歩くことは嫌いではない。嫌いではないし、何より今回のバトルが楽しみな気持ちもあった。
 どうせシャッルはキラーダの好きにさせるだろうが、キラーダが望めば手助けもしてくれる。それすらも嬉しくてたまらないのに、目の前には似て非なる存在。
 
『ねえあんた』
『何だ。バトルに話なんて……』
『あの人のこと、好きなの?』
 
 キラーダは一瞬だけ視線を逸らしてソルシエールを見遣る。ハイローが何かを言うよりも早くに、脚を一歩踏み出して誘うように、惑わすように囁く。
 
『でも、人とポケモンって、通じ合えるのかしら』
 
 人間同士の二人の方がお似合いじゃないかしら。と、立て続けに告げたわかりやすい挑発と揺さぶり。けれども目的はちょうはつではない。一瞬揺れた心の隙間は、いつだって入り込みやすいものだ。
 夕焼けに酷似した紅の色が怪しく光る。ゆらゆら、ゆらゆらと瞳の中で揺れたそれはハイローの視界にも移り込み、彼の心を混乱させるように輝いた。
 
 
 
***
 
 
▼参加登録ポケモンより、「キラーダ(ブラッキー♀)」でシングルバトルを受けさせて頂きます!
 賭けチップ数30枚も問題ありません!
※シャッルは言葉での指示をキラーダに出さず、身振り仕草やアイコンタクトなどで指示を出します。基本的にはキラーダが好き勝手動くと思いますのでお好きに描写してください。
 キラーダが最後に放っているのはあやしいひかりですが、描きたい内容に応じて回避したことにして頂いても構いません!(ゲームでは命中率100ですがそこはお任せします!)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?