確認【sideガラド】

こちらの流れをお借りしています。

■お借りしました:ラキくん
 
 
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 ずっとずっと悩んでいる。悩んで悩んで、本当にそれでいいのかと不安定な足元を、見ないフリ。
 大切な親友。大切な彼女。どちらも大切で、だからどっちも選びたくて。けれどもどっちも選ぶなんてことは、出来なくて。
 それでも俺はどちらも欲しいから現実から目を反らし続けた。
 
 
 仮装をしたラキの姿は普段とは全く異なる落ち着いたもので、クッカ・ムナの時に話していたことを思い出した。風に揺れる長い黒髪。イメチェンというには変わり過ぎているそれは、まるで俺の知らないラキのように思えた。
 そう思うことがおかしいというのに。
 
「バトルしよ?」
 
 持ち掛けられた誘いはこの催しに参加している身であれば当然のものだった。俺はグリーンでラキはレッド。バトルを挑まれることは至極当然のことであって、それに困惑する方がおかしい話。どうしてだろうか。被り物がなくなったせいで、明瞭になった視界で見えた親友の顔が、    見えたのは。
 いいや、違う。そう思うのは、そう思ってしまうのは。俺がただ臆病で弱虫で、選べていないせいなだけだ。
 
「被り物外しただけやと滑稽やん……」
「なはは!」
「否定しやんとこやぞ?!」
 
 いつも通りのやり取りに安心する。いや、安心したがっているだけだ、俺が。
 ここまできたら、と俺は着ぐるみを一度全て脱いだ。中に着ていたシャツとジーンズだけになれば酷く楽で、暑さと苦しさから解放された爽快感に包まれる。少し、気分も軽くなった。
 
「望むところや」
「よし!」
 
 いつものように笑ったラキにこっちも自然と笑って、俺はヒールボールを取り出す。人生で一度しか使ったことのないヒールボール。それを預けられた時は絶対使用する時なんてこないと思っていたのに、あれほど貰っていてよかったと思ったことはない。
 
”もう、かけないんだ”
 
 そんな理由で、何もかもを遠ざけて。いつか使うんだと楽しみに目を輝かせて大切にしていたヒールボールを押し付けられた。その時の虚ろな瞳も笑顔も、脳にこびりついて離れてくれない。
 俺は一瞬だけヒールボールを強く握りしめて、宙に放り投げた。
 
「俺は、ダッバーバに決めた」
 
 何だかんだでダッバーバでちゃんとバトルするところを”ラグナロク”の人間に見せるのは初めてだ。それは俺がダッバーバにバトルをさせたくないと思っていたからなのだが。それでいて今回あえて選出したのは、……”ラキ”なら大丈夫だと信じたいがための、自己満足だ。
 
 
 
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