愚弟の兄【sideシャッル】
■お借りしました:ラキくん
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一目見てすぐに愚弟が親しくしている”彼”だとはわかった。
正直な話愚弟のことについては興味という興味は持っていない。家を出た時には弟は小さすぎたし、向こうもこちらのことは覚えていないだろう。
だからこそ気付けば自分がまとめあげている小さなグループの傘下に入っていたことには笑ったし、愚かだと思った。”そこまで情けない愚か者として育ったのか”、と。
自分が知っているのは生ぬるく人間らしい祖父母と父母と、自分と同じく異端だった姉だけ。そりゃあ自分も姉も消えた人らしい家でならば、人間らしく育つだろうと。だからこそ一切の興味はなかったが、それでも愚か者は愚か者らしく何をしているのかは軽く調べていた。
それでいてこの地方に来てからの愚弟の活動、行動、全てに嘲笑を抑えることは出来なかった。
ああ、そこまで愚者としての道を進むのかと。自業自得で罪状を自ら増やしていく様はひたすらに愚か者の極みに他ならない。だからこそ、どんな風に破滅するのかを眺めるのだけは一興かと思っていたのだが。
「こんにちは」
「ん?ああ、こん…にちは……?」
声をかければ、普段の装いとは全く異なる衣装に身を包み、姿を変えた愚弟の友人が振り返る。そして反射で出そうとした声が、こちらの顔を見た際に疑問の色を孕んだ。
自分と愚弟の顔は瓜二つだ。おまけに同じ褐色肌ときている。髪色や顔の傷など、異なるところはいくつかあるがそれでも誰が見ても血縁者だ、と思える容姿に他ならない。
もしかしたら彼は友の名前を呼ぼうとしたのかもしれないし、そうではないかもしれない。ただ自分は微笑むだけだ。
「私はグリーン、あなたはレッドとお見受けしましたので……バトルオアトリート。宜しければ一戦どうでしょう?」
ウィシャーハが入ったボールを持ち上げれば、また俺の出番かと言わんばかりの視線を向けられたが、それでもウィシャーハがバトル自体は好んでいることは理解している。
受けるも自由、かわすも自由。ただ、友と似た人間から声をかけられたらどんな反応をするだろうか、という。これもただの好奇心から発生した行動にすぎなかった。
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▼参加登録ポケモンより、「ウィシャーハ(シビルドン♂)」でラキくんにシングルバトルを挑ませて頂きました!
作品内で宣言していませんが、賭けチップ数は10個にさせて頂いております。
不都合がありましたら断ってください!
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