屍滅鉄騎クソだる日記
ヒトをゾンビ化するウイルスを放ったのは、世を儚んだオッサンなのだと言う。
曰く、世界はどんどんと悪くなる一方であり、未来に希望などは無いらしい。
だから全てを滅ぼして、最初からやり直してしまう方が人類の為だとか。
そんなオッサンの言葉に世の多くのオッサンオバサンが迎合して、自らゾンビウイルスに感染して他のオッサンオバサンをゾンビ化していった。
テレビでいつも文句言ってるオッサンはそれが政府のせいだとか言ってキレて、ウイルスを撒いたオッサンは被害者なのだと言い出してSNSで炎上したのをスクショで見た。
正直、勘弁してほしい。
ウイルスのオッサンが絶望するのは勝手だけど、私は将来やりたいこととか色々あったんだし。旅行したり、友だちと夜まで酒飲んで酔っ払ったり。あとはまぁ、コンサートとか行ってみたかったな。高校生になったらバイトしてみたかったし。
そういうわけで、私はまだ好き勝手遊べる身分にもなってないのに、勝手に人間社会が店じまいを始めようとしていたので毎日キレ散らかした。休みになって長い事会ってない、まだ本当に仲がいいのかもよく分かってない友だちと愚痴の通話を週三でした。
そんなある日、遂にゾンビの数が限界を迎えて私たちはシェルターに避難することになって。シェルターって言っても今年大して行ってない学校なんだけど、一応制服来て着替え詰め込んで、集団生活ダルいなぁとか思いながら登校したら、先生でも親でもない白衣を着た変なオッサンがいた。
お医者さんにしてはちょっと汚いなアイツ、と思いながら体育館に集まると、今度はきっちりとスーツを着込んだオッサンが壇上に上がって、言い出した。
「ゾンビに対抗するには、もはやこの手段しかないという結論に至りまして」
話の大半は聞いてなかったけど、そこだけはハッキリと頭に入ってきた。
どうにか出来るんだ、ゾンビ。やったね。
「ロボットに乗ってください」
バカだったわ。
【続く】
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