ウルフよ、はよ戻ってこい

つい最近、美容院に行って髪型を変えた。

高３の頃は、ウルフカットにピンクインナーで生きてきた。

高校2年生の前半までは、ツーブロックのマッシュにしていて、後半からは、ずっと昔から髪を伸ばしたい願望もあり、美容院にあまり行かずに伸ばし続けていた。

私は一応男の子として生まれては来たが、多分少し特殊な人間で、見た目に関してはイケメンって言われても嬉しくなく、可愛いと言われたいと常に思っている。

ただ、髪型に関してはそれまでずっと中学校や高校で長さにかなり制限があり、パーマやカラーも禁止されていた。

そのことについて抗議をすることもあったが、
｢男は清潔感を持て｣
という言葉でいつも簡単に片付けられてしまっていた。

だから仕方なくイケメンに寄せるしかなくて、中々いつも無理をしていた。

それで念願のウルフカットができた訳で、正直かなり気に入っていた。

そんな高校生時代を過ごしてきて、卒業式前に1度髪を短くした。

人生初のボブヘアだ。

男の人のやるボブは気持ち悪いみたいな偏見を親に持たれてはいたが、自分的にはまぁちゃんと似合っていたので良かった。

が、それから約1ヶ月後、大学に入学したばっかの最近の私は、何を思ったのか急にめちゃくちゃパーマをあてた。

それはもうめちゃくちゃに。

一応写真は女性の写真を見せた。

しかし、最近ボブにしたばっかなので長さが足りなく、圧倒的にワイルドな髪型になってしまった。

もともとが男だし、見た目は完全にイケイケの男性だ。

あぁ、これはやっちまった、と今でも思っている。

はっきり言って、自分の顔は嫌いじゃない。

男としてはそんなに悪い方ではないと思う。

でも、別にだからと言ってなんだという話なのである。

男らしい顔つきは、私が女の子みたく可愛くなろうとした時に、明らかに大きな壁が立ち塞がるだろう。

それに顔だけではない。

身体だってそうだ。

女性みたくなるには、かなりの努力が必要だ。

それなのに、なんだ今の髪型は。

もうこれは男だ。

しかもカワイイ系とかでもなく、ワイルドな。

また遠ざかってしまった。

まぁ妥協して、今の髪型のうちはイケメンを目指そうとも考えたが、何故かそれができない自分がいる。

やっぱり今の自分は、可愛くなりたいんだろう。

確かに、今の髪のほうが色んな人から声もかけられやすいし、評判もいい。

ただ、私の心は、やっぱりウルフなのだ。

ウルフよ、はよ戻ってこい。

あと何ヶ月かかるんだろうか。

とりあえず今はこのはちゃめちゃパーマのワイルド系で生きていくしかない。

みんな、見てろよ。

何ヶ月か後の自分が本当の自分だ。

きっと驚き見惚れるだろう。

絶対可愛くなってやる。