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9ヶ月長く生きた君へ

親愛なる君へ。

そう、君のこと。

今、空の上で広い芝生を駆け回っているミニチュアダックスの君。

名前は「レオン」。



元気でいますか?

こちらはなんだかんだ上手くやれてるよ。

友達はできましたか?

こっちにいる時は他の子たちといつも喧嘩ばかりで友達なんていなかったから少し心配です。


君がこの家からいなくなったのは、9月6日のことでしたね。

1ヶ月が経とうとしていますが、正直まだ実感がありません。

今でも、なんだか君がまだ居るような気がして、ふと部屋を見渡したりなんかもしてしまいます。

君の名前を呼ぶことだってあります。



君が初めて家に来たのは、もう13年も前のことなんだね。

生後3ヶ月ほどでやってきた君はとても小さくて、声も凄く高かった。

まぁ、それは自分にも言えることなんだけどさ。

君という存在がどういうものなのかよく知らなかった私はさ、ずっと君を怖がってたんだ。

そんなんも気にしない好奇心旺盛な君は、家の中じゃありえないくらいの全速力でジャンプしてきたよね。

はっきり言ってめちゃめちゃ怖かったよ。

1年後にはもうすっかり仲良しになってたね。



そんな君とずっと一緒に、同じ家で過ごしてきたね。

私が1人で寝れるようになるまで、そばで一緒に寝てくれてありがとう。

まぁどうせ君も1人じゃ寝られないだけだったんだろうけどさ。


君のことを一言で表すなら、「ポンコツ」でした。

おすわりしながらご飯食べちゃうし、

お手とか全然できなくて苦労したし、

ジャンプのタイミング間違えて壁に顔ぶつけちゃうし、

写真撮るとき目瞑っちゃうし、

吠える相手間違えちゃうし、

寝相めっちゃ悪いし。


とにかく危なっかしい存在でした。

何年か経って君も成長すれば、いつかは落ち着くだろうと思っていたけど、結局ポンコツは何年経ってもポンコツのままだったね。

そんな君がずっと大好きです。




君がいなくなってから、私の生活の中で変わったことがたくさんあります。

まず、食べ物をこぼしても慌てて拾わなくてもよくなったこと。

今日も私はチョコをこぼしたけど、君がチョコなんか食べれないくせに全速力で駆けつけて食べにくると思って急いで拾おうとしました。

でも、その瞬間に、君がもう走ってこないことを思い出して、そのまま拾わずに5秒くらい固まっちゃったよ。


次に、休みの日に外に出る回数が減ったこと。

君が玄関をカリカリしたら、一緒に走って外に出てたくさん遊んだね。

今じゃそのカリカリする音が聞こえてこないから、用事がないときはずっと2階の自分の部屋にいます。


あと、家に帰るのが少し寂しくなったこと。

今まで、私が帰って来た時は、おしりを必死に揺らしながら猛スピードで突っ込んで吠え散らかしていた君。

だけど、あれからもう君の吠えた声を聞くことはありません。

家の中が前よりも静かになりました。


他にもたくさんあるけど、そのどれもが寂しいことです。

君に留守番させるとゴミ箱がひっくり返っていることも、

私が泣いていると涙をなめてくれることも、

ねぇねぇと手をカリカリしてくることも、

いきなり抱っこを求めてくることも、

ボールを取ってきてくれることも。


全部無くなりました。




でも、君がいなくなってもまだ変わらないこともあります。

君が写っている写真。

君が遊んでいたおもちゃ。

君と一緒に寝ていたぬいぐるみ。

君専用のベッド。

君専用の毛布。

シャンプー。

食器。

リード。

水筒。

衣装。

ご飯。

オムツ。

君が歩きやすいように床一面に張り巡らされたタイルカーペット。

何枚か君がおもらししちゃったところのカーペットだけは剥がされっぱなしだけど、ほとんど何も変わってないよ。


だから、全然いつ戻ってきてもらっても構いません。

いつでも待ってるよ。







実は、昨年の10月に、癌と言われていた君。

その時の余命は2ヶ月でした。

延命をしたとしても1ヶ月程度だと言われていたね。




それでも君は、頑張って、頑張って。


美味しくない薬も毎日飲んで。


痛いのにも耐えて。


辛いことも我慢して。



9ヶ月も長く生きたね。





うん。


偉いよ。



本当に偉いと思うよ。



私にはちょうど大学受験もあってさ。


君が先に死んじゃったらさ、また引きこもろうと思ってたんだよ。


でも君が長く生きてくれたおかげでさ。


いい友達にも、いい先輩にも出会えたよ。

恋人はまだいないけどさ、そこらへんはゆっくり考えることにするよ。



ホントにありがとね。




少し短いけど、今日はこれくらいにしておくね。

ホントはもっと話したいこと、伝えたいこと、謝りたいこと、感謝したいこと、たくさんあるんだけどさ。

それはまた今度会ったときに話すことにするよ。

今まで頑張った分、今はゆっくり休んでください。




もう一度言うよ。


親愛なる君、レオンへ。






大好きだよ。

あなたのサポートのおかげで人生頑張れますっ 宜しく頼んますっ