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建設業のNEWS TOPICS(2024.3)

1 日 2年連続で収益性指標悪化/CIIC、建設業の経営分析公表

建設業情報管理センター(CIIC)は中小建設会社を中心とした約4.5万社の企業データを集計した「建設業の経営分析(2022年度)」をまとめた。
経営の健全性や生産性に関する指標は改善傾向が続いているものの、総資本経常利益率など収益性に関する指標は軒並み悪化。利益率は21年度を境にそれまでの上昇から減少へと反転しており、資材価格高騰の影響が大きいとみられる。

4 日 1167億円を追加支出/政府、能登半島地震の復旧に

政府は能登半島地震の被災者を支援するため、2023年度予備費から1167億円を追加支出することを決めた。国土交通省はこのうち約830億円を使用し、被災した公共施設の復旧工事などを推進する。

5日 手形サイト60日超を違反に/国交省、下請法の指導基準変更

国土交通省は建設工事の下請代金の支払いで用いられる約束手形について、支払いサイト(期間)が60日を超える長期手形の交付を建設業法に違反の恐れがある行為として取り締まる。公正取引委員会が11月にも下請法で指導対象とする「割引困難な手形」のサイトの基準を「60日超」に変更したのを受けた措置。建設業法令順守ガイドラインに反映させる。

5日  災害時の情報発信で協定締結/ 群馬建協ら、「ぐんケン」活用

群馬県建設業協会と群馬テレビが災害時の情報共有で提携した。群馬建協会員と行政機関の災害情報共有システム「ぐんケン見張るくん」の枠組みに群馬テレビが参画。災害速報ニュースなどで情報をリアルタイムに活用してもらう。

11日  5%超引き上げ推進で一致/岸田首相らが建設4団体と意見交換

岸田文雄首相、斉藤鉄夫国土交通相ら関係閣僚と建設業主要4団体のトップらが首相官邸で意見交換会を開き、技能労働者の賃金水準で2024年に「5%を十分に上回る」上昇を目指す方向で一致した。岸田首相は、政府として公共工事設計労務単価の引き上げや建設業法などの改正により建設業界の賃上げと価格転嫁を後押ししていく考えを表明。その上で「設備投資と公共投資を支える建設業の担い手確保と持続的な発展につなげていきたい」と語った。

11日  施策パッケージの骨子作成/国交省、働き方改革で施策提示

斉藤鉄夫国土交通相は岸田文雄首相と建設業4団体との意見交換会で、月内にまとめる建設業の働き方改革の施策パッケージの骨子を示した。中央建設業審議会が2020年7月に勧告した「工期に関する基準」の内容を拡充し、法定労働時間の順守を前提とした工期確保、猛暑日を作業不能日とした工期設定について明示。都道府県発注工事で24年度に週休2日工事を100%実施などの目標を設定する見通しだ。

11日  労務費規制は1年半以内施行/政府、業法・入契法改正案を決定

政府は建設業法と公共工事入札契約適正化法(入契法)の一括改正案を閣議決定した。将来にわたる建設業の担い手の確保を狙いに技能者の処遇改善につながる適正な労務費の確保と下請までの行き渡り、資材高騰分の適正な価格転嫁を促す措置などを講じる。著しく低い労務費などによる見積もり提出と見積もり依頼の禁止、受注者による工期ダンピングの禁止など見積もり・契約に関する規制は、公布日から1年半以内の施行を目指す。現場技術者の専任義務を合理化しICT活用などを要件に兼任を可能とする新制度も、公布日から6カ月以内の施行を想定。中建審に「労務費に関する基準(標準労務費)」の勧告権限を付与する措置は公布日から3カ月以内の施行となる。

12日 官民全工事で週休2日定着へ/建設業4団体、土日一斉閉所へ

日本建設業連合会と全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会の建設業主要4団体は建設現場の土日一斉閉所に向け、初となる共同での全国運動に乗りだした。4月から建設業に適用される時間外労働上限規制を契機に4団体が団結して官民全工事で土日の週休2日定着を目指す。

13日  退職金増額の仕組み検討を/建退共本部、厚労省に要請

勤労者退職金共済機構の建設業退職金共済事業本部は技能労働者の能力や経験に基づいて建設業退職金共済(建退共)制度からの退職金を増やす仕組みの検討を厚生労働省に求める。能力や経験に見合う処遇の付与に役立つ建設キャリアアップシステム(CCUS)の機能や連携の効果を生かしたい考え。2024年度は建退共の電子化とCCUSの連携に一段と力を入れる。

15日  標準見積書の作成手順示す/国交省、安衛経費の確保へ

国土交通省は建設工事の安全衛生対策の関係経費を内訳明示する「標準見積書」の作成を専門工事業団体に促す。あらゆる工種での活用を想定した標準見積書の作成手順をまとめた。安全衛生経費の算出方法として▽個別工事現場の経費▽個別工事現場の技能者にかかる経費▽店社で支出する経費― の三つの観点からトータルの必要経費を計上する複数のパターンを提示。これに沿って工種ごとに適した算出方法や見積書への記載方法を検討してもらう。

18日  外国人材「育成就労」を創設/政府、入管法・技能実習法改正案

政府は技能実習に代わる外国人材受け入れの新制度「育成就労」の創設を柱とする出入国管理・難民認定法と技能実習法の一括改正案を決定した。外国人材の「就労を通じた人材確保・育成」を目標に掲げ3年間で特定技能1号の技術水準まで育成する。新たに認める本人意向による職場の転籍(転職)の制限期間は1年とし、激変緩和措置として産業分野ごとに最長2年までの延長を認める。公布から3年以内に施行する。

18日  ロギング機能実装を完了/振興基金、CCUSカードリーダー

建設キャリアアップシステム(CCUS)運営主体の建設業振興基金は就業履歴登録アプリケーション「建レコ」に対応するカードリーダーの「BNR 01」のiOS版で就業履歴を一時的に蓄積できる「ロギング機能」の利用を開始した。これで「Dragon_BLE」を含む2機種で予定していたロギング機能への対応が完了した。

19日  現場作業は午後3時まで/全圧連、施工計画で配慮を

全国コンクリート圧送事業団体連合会(全圧連)は4月に時間外労働の罰則付き上限規制が適用されるのを踏まえ、4月以降の現場での圧送作業時間の終了時間を午後3時までとする要望書をゼネコンなどの本・支店に発送した。作業車の回送時間などを考慮すると、建設揚重業(移動式クレーン建設業)などと同様に従来の作業時間では上限規制をクリアできないため、圧送作業の終了時間を繰り上げ、ゼネコンらに対し施工計画段階からの協力を求めた。

22日  24年度は6工種に新規適用/国交省、ICT出来形管理

国土交通省はICT施工の活用促進に向け2024年度に6工種の出来形管理に適用を広げる。構造物の基礎工に用いる鋼管ソイルセメント杭で3D計測技術を用いた出来形管理手法を要領化。付帯道路施設工と電線共同溝工の二つの小規模工事でも新たに運用を開始。コンクリート堰堤工、のり面の落石雪害防止工、地盤改良に用いるバーチカルドレーン工(PVD)の3工種も適用対象に加える。

[全建ジャーナル2024.4月号掲載]


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