アンサンブル練習立ち合い#2 A先生登場

 アンサンブル練習立ち合い2回目にはA先生が見に来て下さいました。

 「一回聴かせて」

 一回目の演奏が終わってすぐ、先生が具体的な指示を始められ、そのまま突然指揮をされて、アンサンブルがそれに応えていくスタイルになりました。先生はリズムや旋律の要点を的確に言葉と指揮とで伝えるスタイルでぐいぐいとアンサンブルを引っ張って下さいました。

 音大生のレベルの高さがまだ分からない自分は(これ先生が抜けて元通りになったりしたら困るよね)などと、後から考えればいらぬ心配をしていたのです。先生はお忙しい方なので前半で退席され、後半はアンサンブルと作曲者(もう一人、別科の先輩ムッシュさんが別の曲を同じアンサンブルで演奏して貰うことになっていました)のみが残されました。

 先ほどの心配から「一度通して下さい」とお願いしました。アンサンブルは見事に先ほどよりもう少しこなれた演奏をしてくれました。

「出来ちゃってる。」

こうなると、これにさらに自分が何か言えるのか?が問題です。かつて、自分が指揮をしていた合唱団は残念ながらここまでのレベルではなかった。たとえて言うなら基礎+αくらいの要求をしても、そこに到達するのに何回も繰り返し練習しないといけないレベル。今日目の前のアンサンブルは基礎、は既に前回で出来ており、今日は更に表現力を上げてきたものを先生からのアドヴァイスに呼応してさらにレベルを高めた話しをし、それを実践をし、パート間のバランスやタイミングを図り・・・。まるで天使のような鮮やかさで音楽を作ってくれています。自分のやっていた指揮のレベルでは、この天使たちを相手に振るのはちょっと気が引けると思ってしまいました。時間の無い中でこのアンサンブルをここまで仕上げられる実力。これは1週間後にはもうすこしこなれていることでしょう。

 レベルの高い人たちの間に放り込まれることで自分の実力の無さを思い知る事になった出来事でした。

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