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音楽について語ろう 熊木杏里編

熊木杏里さんの存在を知ったのは2008年だ。僕はギタリストの笛吹利明さんの音色が好きで、笛吹さんのHPから熊木杏里さんの存在を知った。you-tubeで熊木さんの「新しい私になって」を聴き、これはいいと思った。そこから「私をたどる物語」を聴き、虜になった。初めて買ったCDは「私は私をあとにして」だった。熊木さんの歌は歌声はきれいだ。声はきれいなのに歌詞がしっかりしている。どこか主張しているのだ。それも大げさに声高に歌うのではなく、等身大の立場から歌を歌う。「七月のともだち」を聴くと、熊木さんの学生時代が伺える。クラスの中の主役ではない。憧れの友達がいる。熊木さんの立ち位置はいつもそこにあるような気がしてならない。

僕は熊木さんのライブには定期的に足を運んでいる。初めていったライブ会場は2009年の東京グローブ座である。僕には熊木杏里さんは異色だった。僕は長渕剛さんのライブしか行ったことがなく、他のアーティストはどんなライブをするのか知らなかった。初めて生で聴く東京グローブ座の熊木さんは僕には物足りなかった。しかしどこかもう一度、熊木さんのライブに行きたいと余韻を残した。それは観客との距離感だと今の僕はわかる。熊木さんは歌をきれいに再現したい。ステージでの客のやり取りは重要ではなかった。熊木さんはライブを重ねるごとに成長していった。「東京国際フォーラム、Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE、渋谷公会堂、Zepp Divercity Tokyo、東京・キネマ倶楽部、ヤマハホール、東京・日本橋三井ホール」等僕は参加した。10年も通っていれば熊木さんも変わっていく。初期のころの熊木さんは歌を忠実に再現していた気がする。しかしここ数年の熊木さんはライブに感情をこめ歌っている気がする。どちらがいいのか人それぞれだが僕は今の熊木杏里さんのライブが好きである。熊木さんのライブには効用がある。繰り返しの社会生活にくたびれて熊木さんのライブに行く。どよーんとしている頭がライブ終焉後には頭が軽くなっているのだ。頭がふわふわして気持ちいい。ほかのアーティストではない効用である。僕はそのふわふわした感覚が好きでライブに足を運んでいる。

熊木さんの歌はどうなのか。熊木さんはタイアップの曲が多い。しかし耳にしたことはあってもみんなが知っている曲は少ないような気がする。そこが熊木さんがクマッキーファンを虜にする美点なのかもしれない。僕にはわかるんだ。熊木杏里さんの良さがと。羽、誕生日、忘れ路の旅人、新しい私になって、春の風、ひみつ、窓絵等、生きかけとして いい曲は多数ある。人によって好きな曲もそれぞれである。

熊木さんは夢のある喫茶店というラジオ番組を持っている。このラジオ番組は長寿番組で2005年から続いている。ラジコが普及されて僕は夢のある喫茶店を毎週聴いている。熊木さんの近況を聞き、あーだ。こーだ。と話をするのを何となく聞いている。20分という番組の時間は長くも短くもなく、僕は一週間の区切りとして楽しみに聞いている。

これからも僕は熊木さんの音楽を聴き続け、ライブに足を運ぶんだと思う。熊木さんがもっと輝いてほしいと願うが、僕はこのままずっと今のままで走り続けてくれたらいいなとも思う。


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