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古代滇国の青銅の貝の貯蔵器

はじめに

11598文字
写真しつこいくらいに写真多し。

こちらの商朝(紀元前17世紀頃 〜 紀元前1046年)、周朝(紀元前1046年頃 〜 紀元前256年)より、だいぶ新しい滇国(前278年〜前109年)のお話。

滇国

滇(てん)は、西漢時代紀元前3世紀頃から、中国の雲南省東部の滇池周辺にあった滇人による西南夷の国。楚の将軍の荘蹻が遠征した時に、秦によって帰郷できなくなり、やむなく紀元前278年に建国したとされる。紀元前109年に前漢の武帝の攻撃で滇国は漢の属国になった。

素晴らしい美術品の青銅器がザクザク出てくる。その一部を紹介する。古代に何が起きた!という大変な状況を表現した美術品だが、美術そのものとしての出来も素晴らしい。作った古代の職人さん天才!そういうわけで、写真が説明に必要以上に多い。

中国では、滇人たちや王になった荘蹻が残虐な生贄をしまくるという話になっているが、ワシは疑っていて取調べ中です。今回は中国の紹介文そのまんま紹介する。


雲南省から出土した貯貝器 

殺人祭柱場面貯貝器

貝貯蔵器、滇国特有の青銅器は、滇南国の貴族が海貝貨(海の貝の貨幣)を貯蔵するために使った容器で、後世の「貯金箱」に似ている。貝貯蔵器は大規模な墓から出土することが多く、滇国王侯貴族の専用品であり、富、地位、権利を象徴している。貝の貯蔵器は戦国末期に出現し、西漢中期にかけて最盛期に達し、東漢初期に消滅した。

貝の貨幣(商朝の前の夏王朝時代から貝の貨幣経済だったみたいね)

1950年代半ば、中国雲南省滇池区地域で大量の滇文化墓葬群が発見されました。

滇国には歴史を記録する体系的で成熟した文字体系がないため、貝殻保管容器の立体彫刻は滇国の社会的および歴史的場面を再現している。

いろいろ沢山ある。

貯貝器は、1955年から1960年の間に雲南省晋寧石寨山から出土した。

雲南省晋寧石寨山(ココから素晴らしくも怖い、古代の美術品がザクザク出てくる)


1.殺人祭柱場面貯貝器

(殺人生贄柱の場面の貝の貯蔵器)

殺人祭の柱の場面の貝の貯蔵器は、中国の西漢時代の文化財、出国禁止展示文化財、1955年雲南省昆明市晋寧区上蒜鎮石寨村石寨山甲区1号墓から出土した。器身は四耳の銅鼓を呈し、器の蓋には古代滇国殺人祭柱の祭祀場面が鋳造されている。出土時には器身がやや欠けており、器内には貝貨が盛られていた。現在は雲南省博物館に所蔵されている。

出土

雲南省博物館が1950年代から同省全域で行っている科学考古発掘、試掘、調査。1955年、雲南省昆明市晋寧県の石寨山西面斜面で新石器時代遺跡1カ所が発掘され、大量の陶器と石器を獲得した。

1955年から1960年にかけて、前後4回にわたって石寨山の山麓で春秋戦国から後漢時代の墓48基が発掘され、出土品は4千点以上。殺人祭柱場面貯貝器は1955年に出土し、発掘報告書「雲南晋寧石寨山古遺跡および墓葬」の中で「太鼓形四耳器」と呼ばれている。

2013年8月19日、殺人祭柱場面貯貝器は国家文物局によって公表された「第3陣出国禁止展示文化財目録」に収録され、同様に石寨山古墳群から出土した詛盟場面貯貝器(呪いを誓う場面の貝を貯める器)と「滇王の印」の金印も出国禁止の展示文化物である。

滇王の印の話は大事になりそうなので別noteで。

貯貝器滇国特有の貝貨を貯蔵する青銅器であり、器にはそれぞれ異なる姿の群像が鋳造され、具体的かつ生き生きと祭祀、戦争、狩猟、祈年、播種などの状況を表現し、滇国の社会歴史を研究する重要な資料である。

殺人祭柱の場面の貯貝器銅太鼓形で、通高38センチ、底に蓋があり、蓋径30センチ。貝貯蔵器の腰には陰線で浅く刻まれた狩猟模様があり、8人の裸の人物で、股の下に広帯域を結び、腰の際まで上に束ね、武器を持ってイノシシ獣を追う形をしている。器蓋には雲南国の祭祀が表現されており、様々な人物52人、豚1頭、犬1匹が鋳造されている。器蓋の両側の縁にはそれぞれ小さな銅製の太鼓が置かれ、中央には高さ9センチの円柱が立っていて、円柱の中段には2匹の蛇がぐるぐる巻きになっていて、先端にはトラがいて、台座にはワニが横たわっています。

柱の右側には板が立てられ、板は逆に縛られた裸の男の腕の上にあり、髪の三つ編みはカードの後ろで結ばれている。 カードの右側の前には、左足を木製の足かせで固定された男と、両手を後ろに縛られて地面にひざまずく裸の男が座っており、3人とも儀式の目的のために生贄にされるはずである。
青銅の柱の後ろには、3~4人ずつ整然と並んだ4列の女性が座っており、最初の2列の女性には、肩にスカーフをかけ、両手を胸の前で組んで見守る男性がいる。 列の左側には、膝の前に魚や肉の入った籠を持った他の4人の女性がおり、4人の女性の前には男性が立って見守っている。 四人で支える神輿に乗った貴婦人の姿もあり、おそらく祭祀の主役であろう。 神輿の脇には、司祭の付き添いであろう二人の女性とそれに続く男性がいる。 神輿の周辺には、拷問を受ける者や斧を振り回す者もいる。

器蓋彫鋳造内容の宗教的意味について、学界にはさまざまな解釈があるが〜〜

ワシ:宗教やユダヤについては素人なのでカット。

拷問を受ける者や、斧を振り回す者もいる。
木製の足かせで固定された男

説明が分かる図がある


2.西漢 詛盟場面銅貯貝器
(前漢 呪い同盟場面の貝を貯める銅器)

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