だから天才になんてなりたくないんだ
ダンサー Sergei Polunin のドキュメンタリー映画を観た。踊ることは正直好きだ、でも、踊ると消耗する、しかし、休むと身体が軋んで痛い、僕は肉体と義務感の奴隷だ。心臓の薬と増進剤と鎮痛剤を飲んで舞台に立つ天才ダンサーを休ませてあげたい幸せになってもらいたいと身体を硬くして見守るように映画を観ていた。でも、彼は踊りをやめないことにしたのだという。跳躍しているその瞬間は自分だと感じられるから。それならば、踊り続ければいい。肉体の苦しみを抱えながらの美しい跳躍を、同じだけの苦しみを感じながら観つづけよう。