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ローレンス・オリヴィエ監督『ハムレット』クラシカルな古典の映画化



<作品情報>

「ヘンリー五世(1945)」に次いでローレンス・オリヴィエが製作・監督・主演したシェイクスピア劇映画で、フィリッポ・デル・ジュウディテェが製作指揮に任じた一九四七年作品。装置と衣装は「ヘンリー五世(1945)」の衣装デザイナーのロジャー・ファースがカーメン・ディランの協力を得て担当し、撮影は「ハングリー・ヒル」のデスモンド・ディキンソン、音楽は「ヘンリー五世(1945)」と同じくウィリアム・ウォルトンが作曲し、演奏はフィルハーモニア・オーケストラである。台本編修も同様アラン・デントが受持っている。オリヴィエのハムレットを囲って「大いなる遺産」のジーン・シモンズ。シェイクスピア劇俳優のベイジル・シドニー及びノーマン・ウーランド、「双頭の鷲」の舞台に出演したアイリーン・ハーリー、「ミスター人類」の舞台にオリヴィエを助演したテレンス・モーガン、「ヘンリー五世(1945)」のフェリックス・エイルマー、ジョン・ローリー、エズモンド・ナイト及びハーコート・ウィリアムス、「逢びき」のスタンリー・ホロウェイ、その他ピーター・カッシング、アンソニー・クェイル、ラッセル・ソーンダイッ等が出演する。

1947年製作/155分/イギリス
原題:Hamlet
劇場公開日:1949年9月10日

https://eiga.com/movie/48080/

<作品評価>

85点(100点満点)
オススメ度 ★★★★☆

<短評>

おいしい水
陰影のはっきりとした美しい撮影、そして豪華な衣装が素晴らしいです。それに加えてローレンス・オリヴィエの演出で優れていると思ったのは空間の見せ方でした。階段や廊下の空間の示し方が抜群に上手いと思いました。父王にハムレットが会うあの塔の上、オフィーリアとハムレットの距離など劇的で不穏な感じを見事に醸し出していました。
ただ、オフィーリアを演じたジーン・シモンズはどうですかね。カツラ感丸出しの髪に顔が合ってない気がしたのとオーバーアクトが気になりました。しかし、死ぬ場面での演出が見事で、流されていくオフィーリアを捉え一度止まり、次に動くともういないというカメラワークは素晴らしかったです。
個人的にはかなり好きな作品になりました。ローレンス・オリヴィエの監督としての才能を感じました。

吉原
「ハムレット」の映画化の中では比較的コンパクト(とはいえ150分越え)で、内容もわかりやすく描かれていると思います。80年近く前の映画とは思えないほど手に汗握る展開もあって今観ても非常に面白い作りになっています。
オフィーリアの葬式のシーンからラストにかけては個人的に「ハムレット」の映像化作品の中では一番劇的に描かれていて魅力的です。世界的に有名な古典に手を出すなら間違いなく本作をお勧めします!

<おわりに>

 名優ローレンス・オリヴィエ版のハムレットです。分かりやすく忠実に描かれた世界観が魅力の一作です。

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