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エッセイ:ガーネット色の血液

「こんな石があるんだけど」
占い師がそう言って渡したのは、黒い石だった。黒い石……モリオンか? オニキスかもしれない。こういう時はライトで照らしてみるとヒントが浮かび上がる。ライトのスイッチを入れて、驚いた。なんと赤いのだ! 澄んだ赤さを湛えたその石は、触れていると暖炉の前にいるような暖かさを感じた。
ガーネットは一見すると黒い艶のある石に見える。深紅色はアルマンディンガーネットと呼ばれる。静脈を流れる血のような色だ。戦争のおまもりや傷の手当などに用いられてきた。インドでは殺傷能力の高い弾丸としても活躍した。その見た目通り、血気盛んなイメージのある石である。
一方、恋愛成就のおまもりとしての効果もある。ガーネットは「情熱の石」とも呼ばれ、思い人の心を引き寄せたり、恋人との絆を深めたりする力を持つ。癒しの石というよりは、とてもエネルギー溢れる石だ。誕生石としては1月を担当している。
当店ではブレスレットとして販売する機会が多いのだが、見た目が黒いのでデザインに悩む。ぐるりと一周並べるとクールな印象になる。しかし女性のお客様でこのブレスレットを手に取る方は少ない。そうするとポイントで使うことになるのだが、エネルギッシュな石のため癒しの石と並べるとアンバランスだ。石に相性はあまりないが、前に進む力が強い石と心を守る石とでは全体としてバラバラな効果となる。
せめてもう少し赤色が前に出てくれたら。もちろん透明感のある赤色のガーネットもある。だけどわたしはこの一見黒いガーネットが好きだ。光に通さないとわからない秘めた赤。それは石と持ち主だけの秘密。秘密を共有するほどふたりの結びつきはぐっと強くなる。絆は強固なものとなり、あらゆる困難を打ち砕くだろう。
わたしは多面カットが施されたテラヘルツを挟むように、ガーネットを配置した。テラヘルツは細胞の歪みを正しくする効果がある。ガーネットは血の巡りを良くする。心身を浄化する水晶を並べ、健康効果の魔法陣を組んだ。この魔法陣は持ち主の健康を促進する。ゴムを通せばブレスレットの完成だ。
一見、黒色と無色の石でできたモノクロのブレスレットだが、健康面でいうととてもパワフルだ。身に付けるとじんわりと熱さを感じるであろう。テラヘルツもガーネットも重さはあまり感じられないので、ストレスフリーに身に付けられる。
そして光に透かすと血のように赤いガーネット。これはあなたの体内を駆け巡る血液そのものだ。怪我でもしない限り見ることのできない血を、こうして透かすことで確認できる。あなたが生きているという確かな証だ。
命ある限り、ガーネットはあなたと共に生きていく。そんな生涯のパートナーを迎えてみてはどうだろう。当店、Zen Stonesでは、そんな出逢いをサポートします。是非、いらっしゃい。

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