見出し画像

【紀行】比婆山御陵(安来市)

比婆山(1264m)の山頂は、古事記にいう伊邪那美命を葬った比婆山であるとして、古来より信仰の対象となってきたところである。

南麓に遙拝所熊野神社があり、山腹に那智の滝(古名、鳥の尾の滝)がある。神域の巨石およびイチイの老木は神籠磐境として伝承されている。

古事記に「伊邪那美神は出雲国と伯伎国との境の比婆の山に葬りき」とあり、いわゆる「御陵の峰」が神陵のある山である。比婆山は別名「美古登山」ともいい、山上には3haにもわたる広大な平坦地がある。

画像4

その中央部付近にある径15mの区域内は昔から神域として伝えられ、雨露に崩れて露出した巨石数個が重畳している。

南側正面には一対のイチイ(門栂という)がおのおの巨石を抱いて茂り、伝承にある神域の門戸を形造っているようである。

画像2

画像3

この栂(正しくはイチイ)は木の母の字意から神木と解し、東洋における最長寿木であり、古代の神殿の造営林として重用されたもので、「あららぎ」の古語がある。《 from 庄原市教育委員会 現地掲示板 》

画像5

比婆山という名前が伊邪那美神の葬られた場所。

これ。神としての実態が(信仰的に)葬られた場所であり。神魂そのものは黄泉国(夜見国)に赴いた…と考えれば、伊邪那岐神の黄泉国訪問譚はここではない別の場所でのお話し。ということになる。

亡骸が葬られた場所と魂の赴くべき場所は、「別モノ」と考えるのが相応である…わけね。ココに伊邪那岐神が訪れた、ココに黄泉国がある。という発想は、ちょいと短絡に過ぎるのよ。

霊魂観をそっちのけで、現代人風に直結して発想するのは待ちましょうというお話しでございます。

画像6

しかしね…。ここ(伊邪那美御陵跡)は何度訪れても怖いのよ。

いや、まぢ。日頃あちこち赴いて「ここがパワースポットでぇす!」的な場所に訪れることもありますが。ココはホント、個人的には畏怖心をかき立てられる場所。

だから…カメラ構えてイチイの木撮ったりするのも、ちょっと気持ち的には憚られるものがございました。

結論としてお墓を写真に撮ってるわけで、呼称、陵(みささぎ)だし。

画像7

参拝を済ませてそそくさと移動します。

画像8

で。
夏場は涼しいです。山麓には県民の森としての施設とかあったりするし…そこそこ登山口から距離もあるので、「山登りしました」感は味わえます。

山頂御陵のそばで、「さぁ〜、お弁当お弁当」にはならないんですよね。。

すこし山稜稜線を歩いて真向かいにある烏帽子山・竜王山まで移動してからの方が見張らしも良いので、お弁当はそちらをオススメ致します。

画像9

稜線の向こう、中央にゴボッとある緑の塊。アレが御陵です。

今立っている場所。三等三角点のある場所からだと、真向かいに比婆山と御陵も見えます。(このぐらい離れると…畏怖心も許容範囲)

画像10

こっちが立烏帽子山…かしらん。(下って登り直して)向こうに登山口駐車場があります。

ビジターセンターは宿泊もできておりましたが、2020年以降。夜間、管理者も不在となり宿泊については時節柄見合わせ中…というアナウンスがありました。今年はやってんのかしら。。

再来週ぐらいになると、比婆山一帯。キレイに色づく時節ではございますが、本日はここまで。(合掌)