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嗣治の夢

NHKの4K放送にて。希代の画家、藤田嗣治の境涯をたどる番組を見た。

番組終盤、フジタが当時手に入れていたポータブルのオープンリール・テーブレコーダーを使い。自身の思うところを音声日記風にして収録している。

晩年の近づいたフジタは能狂言に準じ、洒落っ気を装い。死神(あるいは神)との対話をしているかの如く、マイクに向かって語る様子が流れる。

『どうか、ワタクシをそちらに召し上げる前にヒトツ願いがあるのでございます。ワタクシは長いことお世話になった皆様と主たる神々に祈りを捧げることのできる、御堂(みどう)を建てようと考えております。この御堂が建ち上がりますまでの間、しばらくそちらに召し上げることを待っていただきたいのです』

みたいなハナシ。(内容うろ覚え)

戦前、パリで散々苦労した上。日本画の技法を素地にして、西洋絵画手法により描かれた婦人肖像画が、喝采をもって受け容れられたこと。

日本に呼び戻され、戦争絵画を介して戦意高揚を担わされたこと。

戦後、母国で戦犯であるかのごとき取扱を受けて仏国に戻り。帰化を果たしてフランス人として息を引き取ったこと。

怒濤の人生ではあるけど…。
節々で、自分なりの考えを持ってお過ごしだったと感じるところです。

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現在。フジタ礼拝堂には彼と彼の最後の夫人が奉斎されてあり。パリから40分程度で赴くことのできるその礼拝堂…をだよ。

どーして、一昨年のパリ渡航に際し訪れなかったのか。残念しきり。

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旅での立寄先は大半、旅行会社からの「ご提案」がベースになって組み込まれるんだけど。ルーブルやオルセーに行くんなら、なにゆえ藤田嗣治の作った礼拝堂を外しちゃうのかね。

はなはだギモンに思うところだけど。考え方として…わざわざ広島からフランスくんだりまで出かけて、日本人画家のメモリアル・プレイスに足を運ぶのは。

いうなれば、広島から東京に出て。東京で名うての広島風お好み焼き屋さんに連れて行かれる様なもんかね。(笑)

いずれにせよ。企図したヒトやら旅行会社の思惑に異議申し立てするには時間も経ちすぎ。。あとのマツリでございます。

さて。日本の美術館と違い(最近はそうでもないところもある様ですが)、パリの美術館では平気で写真を撮ることが許されております。ゴヤだろうがモネだろうが、ダビンチのモナリザもまたバシバシ写真を撮って怒られません。

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まぁ、エチケットとして「三脚立てて、ISO100。絞りF8でSS1.5秒」とか、そーいうのは駄目なんだけどね。(手持ち撮影厳守・フラッシュ禁止が一般的でございました)

この感覚は是非とも日本国内で取り入れていただきたい。

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とれびや~ん(言ってみたかっただけ)

次の五輪は仏国パリ開催。収まってっかねぇ…ずんずん色んな株のヤツ出てきてるので。一体何本ワクチン打たなきゃ、なんないのよ。(笑)

はぁ…フランス行きたい。