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菊花三選


嵯峨菊

嵯峨菊は、嵯峨天皇がその気品ある姿と香りを好まれ、この独特の古代菊を、永年にわたり王朝の感覚を持って育成し、一つの型に仕立て上げられた風情と、格調をかねそなえた菊が大覚寺「門外不出」の嵯峨菊です。この菊の仕立ては一鉢に三本仕立てとし、長さは約二メートルに育成いたします。これは殿上から鑑賞されるために高く育てているのです。

from 旧嵯峨御所 大本山 大覚寺


伊勢菊

伊勢、伊賀を中心に発達した花で、分類上は嵯峨菊の変種と扱うのが定説になっています。その花は細長い花弁が裂けたり縮れたりして垂れ下がり、座して見るために発達したとされています。

from イノチオ精興園


肥後菊

肥後菊の栽培にはいくつかの特徴があります。肥後菊の形は、花が一重咲きで平開する薄物の三系統、花弁の形は平弁と管弁の2種類で、色は紅、白、黄です。そして最大の特徴ですが、肥後菊は1本だけで植えるものではなく、花壇に植えられた時の全体の調和の美しさを肝要とします。

したがって花壇にはたくさんの種類を植え、前・中・後列と3列にし、高さも低・中・高の順に育てるというような栽培の決まりごとが生まれました。

from 観光サイト・もっともーっと熊本

久々に土佐に行ってみたくなり、高知県立牧野植物園に赴いてみました。

エントランスからの正面、図書館上…といいますか。菊花の展示がしてあり。しげしげとしばし眺める、の図。あ。嵯峨菊は大覚寺のではございませんので悪しからず。(合掌)

菊全体の花言葉は「高貴」「高潔」「高尚」。

ごく普通の田舎の「しもた屋」(いわゆる民家ですわ)軒先に鉢植えで置かれているものから、路地に咲く野路菊含め。日本人が「あぁ、菊が」と見てるようで見てないものまで含め。菊花を愛でる風というのは国民性でしょうかね。

ま、なんにせよ。様式美こそがわが国の美風。尤も花の方ではそんなことはお構いなしなんです。そこがまたイイのよね。