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日記の先輩 - 2024/01/08

特に書く事が思いつかないので、思いつくまで好きなアルバムとか曲を紹介しようと考えた。
何も思いつかなかったら、曲の紹介だけで終わるやもしれない。

果たしてそうなった時、それは日記と呼べるのだろうか?
日を記すなどと宣っておいて、そんな事が許されてよいのだろうか?

日記の迷路に一歩踏み入った時、ふと昔プレイしたゲーム「ぼくのなつやすみ2」のことを、私は思い出した。


ぼくのなつやすみは、主人公の「ぼくくん」を通して夏休みを追体験するノスタルジーなゲームだ。
日が暮れるまで山を探検して、海で調子こいて溺れて、洞窟や滝壺にだって行ける。
これがとにかく楽しい。

物語中盤からはキンオニクワガタの採集・育成に熱中していたので話の内容はあやふやなのだが、色々なサイドストーリーも存在しているハズだ。

ロケットが飛ぶ飛ばないとか、なんだか凄い事やっていたような気もするが、どうしたことか全ての思い出が金色に塗りつぶされてしまっている。


そういった色々な体験が存在するこのゲームでは、一日を終える時に必ず”宿題の絵日記をかく”というセクションが挟まれている。

プレイヤーの操作したぼくくんの体験が、1ページずつ大切に記入されていく様は、なんだか胸が暖かくなるので大好きであった。

そんな絵日記のなかでも、特に思い入れの強い内容が「何もない1日」だ。


たとえばプレイヤーが1日中、キンオニクワガタ採集の為だけに、島中の木を走り回っていたとしよう。(そんな奴はどうかしているが、ここでは仮に居たとする。)

誰とも会わない薄っぺらい1日では、絵日記のページを埋める事が困難になる。
そんな時でも光るのが、ぼくくんの文章力なのだ。

「きょうはとくになにもない、じつにとっても、かなりすばらしい一日だった」

矮小な器を持った私であれば、無理な嘘や誇張でなんとか上手い具合に持っていこうとしていただろう。
しかしぼくくんは違う。

何もない日であっても小手先の技は使わずに、ありありと真っ直ぐに紡がれた言葉だけをそこに存在させて、魅せる。
この文章が書けるぼくくん、いや、ぼく先輩を私は子供の頃から今に至るまでずっと尊敬している。

現に今も、愚かな私は「好きな曲を紹介して文字数稼ぎながら、難なく今日の日記を済ませておくでゲスねぇ」などと心の中で考えていたのだろう。

今日ここで、ぼく先輩の事を思い出せてよかった。
道を踏み外しそうになった私ですが、もう一度ぼく先輩の背中を追わせていただきます。
これからもぼく先輩を目標に、日々精進してゆく所存です。



ここまで書いておいてなんだが、真冬にぼくのなつやすみの話をするのはいかがなものか。
いや、ぼく先輩ならそんな事は気にしないだろう。
私も気にしないでおく。



以下「いや結局アルバムの紹介もするんかーい!ズコーっ!」のコーナー。

Sanosa omodaka

私はBrain Storm、Otemoyan、Plum songの三曲が特別に好きです。

このアルバムの他にもかっこいい曲をたくさん作っていて、その全てでテクノ×民謡という尖った掛け算を、見事にやってみせる。
Omodakaさんの楽曲を聞いている時は、脳みその使ってない部分が少し解放されるような気分になる。
これは、おそらく特殊な力を秘めているのだと考えられる。
合法のうちに聞いておいた方がいいだろう。

もともとは競艇が好きすぎて、競艇の曲を作る為に活動しはじめたそうだ。
ライブパフォーマンスでは巫女の格好で仮面をつけて、携帯ゲーム機を使ったりして演奏しているそうな。たのしそう。
生まれてから東京に一度も行った事がないのだけれど、Omodakaさんのライブの為になら行きたいなとか考えるようになった。

以上、私が2023年で1番心を動かされたアーティストの紹介でした。

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