見出し画像

能動的な眠りと受動的な眠り 寝ようとするほど眠れない理由とは

最近、よく眠れていますか?

昼間の出来事を引きずっていたり、問題や悩みなどをいろいろ考えていたりすると、目が冴えてきます。眠れない夜を過ごしている方も多いです。

私もその1人でした。

眠れないのは、悩みが多いときだけではありません。楽しくて、あれこれ考えているときも同じです。

早く寝ようとするほど、なかなか眠れなくて、今度は焦りがやってきます。

一方で、考えていないときというのは、スッと眠りについています。

布団にもぐりこむと、自然に眠りがやってくるのは、身心のバランスがとれている状態です。

それは、身心に眠りがやってくる準備ができていたからです。


自然な眠りへの鍵は、「今この瞬間のあり方」です。

今この瞬間には、2つの今があります。

それは、「今この瞬間に気づいている今」と「今この瞬間に気づいていない今」です。


考えているときは、多くの場合、無意識です。これは考えていることに気づいていない状態です。「今この瞬間に気づいていない今」といえます。

人はよくオートパイロット状態になります。これは思考による自動操縦に任せているようなものです。すると、思考の癖だけで生きることになります。

無意識で考えているときは、オートパイロットに任せているので、今起こっていることに気づいていないのです。

一方で、同じように考えてはいても、考えているという状態に気づいていれば、それはまったく違う今です。

今起こっていることに気づくというのが、マインドフルネス瞑想なのですが、瞑想のときだけでなく、普段もいかに気づいている状態でいられるかがポイントです。

昼間は動いているので、自分の状態にはなかなか気づきにくいです。しかし、静かに横たわっているときは、そのときの身心の状態が如実に表れます。


ぜひ今晩、布団に横たわったとき、感じてみてください。

布団に沈み込んでいる身体、毛布の感触、周りの音・・・。

そのとき、手のひらはどうなっているでしょうか。冷たい?あったかい?

そうしたことを感じてみてください。

途中で思考にいくこともあるでしょう。誤解がないように申し上げておくと、思考にいってもいいのです。大事なのは、思考している今に気づくことです。

そして、また息の出入りや身体の感覚に戻りましょう。


坐禅や瞑想をやっていると、眠りに落ちることがよくあります。今この瞬間に気づいているという状態になっているので、眠りがあちらから自然にやってくるのです。

眠りはやってくるものです。

といっても、「今に気づいている今」を体験するのは、最初は難しいかもしれません。もう少し補足で説明を加えたいと思います。

寝ようとするほど、眠れない焦りがやってくると申し上げました。

「寝よう」というのは、言い方を変えるなら「テーマ」です。

テーマとは、一言でいうと「主題」であり「目的」です。

人は、テーマを持つように習慣づけられています。

仕事をするというのもテーマですし、ご飯を食べるというのもテーマです。また、目的地に向かって歩くというのもテーマです。

「寝よう」というのも、その一つです。

テーマで行動しているとき、人は何かをしようとしています。これは能動的な態度であり、日常生活では必要ではあります。


ところが、眠りは、能動的な態度でいては、やってきにくいのです。眠りは「することをやめる」からやってきます。昼間の能動的態度から受動的な態度へとモードをチェンジする必要があるのです。

ちなみに曹洞宗の坐禅は「只管打坐」です。禅の師匠は「坐禅は悟りという目的を達成するための手段と捉えてしまいがちです。只管打坐とは主題(テーマ)を持たず、いかにただ坐るか。」と語っておられました。

坐禅や瞑想でも、つい「呼吸に集中することで心を落ち着けたい」「坐禅で集中力を高めたい」といったテーマをもとに坐ってしまうのです。

坐禅をテーマでやってしまうと、それは心を落ち着けるためのアクティビティではありますが、坐禅ではないのです。

坐禅とは、完全に「受け身のあり方」といえます。



私たちは、普段から能動的なありかたで生きているので、放っておくと、そのままやろうして、眠るときに上手く「受け身のあり方」に切り替えができません。

私自身の経験で申し上げると、テーマを持ってしまうと何かをやろうとしてしまうので、今この瞬間に起こっていることに気づくのは難しいです。

テーマではない今が、「今この瞬間に気づいている今」なのです。

今に気づいている今、今に気づいていない今。この違いが分かるには、少し実践が必要かもしれません。

私自身の経験ですが、布団に入り、今起こっていることに、ただ気づいていると、次第に身体の力が抜けていきます。恐らく一日頑張っていたのでしょう。頑張りが抜けてくると、静けさという音がしてきます。マンガに出てくる「シーン」という音です(笑)

まずは、ぜひ体験してみてくださいね。



ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

最近、眠りへの入り方が楽になることで、夢が変わってきました。

子供の頃から、悪い夢を見ることが多くありました。よく汗をビッショリかいて夜中に目が覚めていたので、それが普通だと思っていました。

しかし、最近は夜中に起きても、悪い夢は見ていません。夢は見ていると思うのですが、クッキリした感じではなく、ボンヤリとした夢に変わってきました。

また、以前は、朝起きたときに疲れ切っていることもよくあったのですが、最近は、朝の目覚めがよくなっています。人生で一番いい目覚めをしています。

考えながら眠りに入らないことで、身心の力みが抜けてきたのだと思います。眠りへの入り方を工夫する参考になれば、幸いです。



月に4回メルマガ「禅メンタル通信」を
発行しています。

禅を人生にいかすコツやヒント、禅とビジネスコーチング、禅とスポーツのメンタルトレーニングなどについてお伝えしています。

無料ですので気軽にご登録ください。

↓詳細は下のリンクをクリックしてください。
https://www.zen-mental.com/mag/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?