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一度はやってみないと分からない かるーくご縁の旅に出かけましょう!

私はポジティブ、ネガティブという言葉が好きではありません。そんな風に簡単には分けられないと思うからです。

書店にいくと、いかにポジティブに生きるか、前向きに生きるか、といった類いの本が並んでいます。

その最たるものが、「夢」ではないでしょうか。

夢という言葉には、人を引きつける魔力がある反面、人の力を奪う悪魔のささやきもあります。

夢に続くのは「叶える」という言葉。

夢を叶える。夢が叶った。

「夢があるから生きられる」と言う人がいます。「夢がない人生なんて、味気ない」と思われる人もいるでしょう。

しかし、夢が叶わないと、どうでしょうか?夢がないとどうでしょう?

失望したり、意味がない人生に思ったりします。

夢が勇気になったり、努力の糧になる方は、夢に向かって生きればいいと思います。

一方で、夢では生きられない人もいるのです。

夢を持つことで苦しくなる人もいますし、夢では人生の謎が解けない私のような人もいます。

夢が叶うか叶わないかではない生き方があるのです。



やってみないと分からない。



誰しも聞いたことがあるフレーズですよね。

先日数学者の岡潔さんの本を読んでいて、「一度はやってみないと分からない」という一節に目が止まりました。

「一度はやってみないと」という言葉が新鮮だったのです。

トライすることに成功も失敗もありません。

あるのは体験だけです。

人は、やってみないと分からないという基本的な特性を持っています。そして、やってみれば納得できるという特性も持っています。

そして、やってみないと、後悔が残ります。これも人間の特性です。



夢が叶うかどうか、結果はどうあれ、やってみることはできます。
さらに、「とりあえず一度やってみる」というのは、ハードルが低い感じがします。

それは、成功することをあまり期待せず、本能のおもむくまま、まずは一歩踏み出してみるという意味が含まれているからでしょう。しかも一度やってみて、違うと思ったら、いつでもやめていいのです。「もしダメだったら仕方ない」という気持ちもどこかにあります。

私自身、とりあえずやってみる人生だったと思います。これまでの人生で、とりあえず以下のようなことをやってみました。すべての頭に「とりあえず一度は」と付けてみてください。

①教育学部に行ったのに先生にならず、一般の会社に就職してみた。
②会社を辞めて転職してみた。
③独立してフリーランスになってみた。
④思いきり稼いで、贅沢してみた。外車にも乗ってみた。
⑤禅を学んでみた。
⑥アメリカに行ってみた。
⑦英語でコーチングのセッションやセミナーをやってみた。
⑧人とのご縁で食堂をやってみた。

そして、とりあえず経営者を体験しているのが現在の状態です。

一度やってみることには、嫌なことも含まれます。

人間には、好きなことに偏る特性があります。「好きなことだけやって生きよう」という考え方もあります。

それを否定はしません。しかし、それは禅的体験ではありません。好き嫌いを選んで生きようとしているからです。

私の経験を振り返ってみても、嫌だと思ったことにも、やってよかったことがたくさんあります。

食堂は夢ではありません。正直、ご縁がなければやっていませんでした。このメルマガでも書いていますが、嫌だと感じることに直面する日々です。

値段の設定でも、少しでも安く提供したい女性スタッフとよくぶつかります。運営の方針についても価値観に開きがあります。いかに納得してもらうかで心をすり減らしています。私自身も、自分の軸が定まっていないこともあり、いろいろ考えがブレるのも苦しいです。まさに経営の初心者の悩みですね。



でも、初心者の悩みって、とてもいいことでもあるのです。

禅の修行をしていて、ときどき「優越感」を感じることがあります。「禅で自我を超えていく、尊い生き方をしているのだ」と、人間として少しレベルが上がったような気になると、お金や欲にまみれている人達をバカにするようになります。

自我を離れるために修行をしていて、逆に自分の自我を固めている状態です。これは修行の罠のようです。これは禅に限ったことではありません。自己啓発の研修もそうですし、ヨガや武道など、自分を磨くことをしていると、どこかで自己を超越したような気になり、優越感を抱くようになるのです。

優越感は危険です。

正直、10年以上コーチをやっていると、自分が何者かになったような優越感を抱くことがありました。自分のことや人のことが分かったような気になっていたのです。

それが食堂で嫌な体験をする中で、いつも負けてばかり。怖いことばかり。優越感など吹っ飛びました。



そして、今コーチとして、まっさらな気持ちでセッションしています。初心に戻れたのです。

これは嫌だけど、やってよかったことといえます。

嫌だからダメではないのです。

嫌なことは、自分の優越感やキザな自分を打ち消してくれる「苦い薬」なのです。

損か得か、好きか、出来るか、向いているか、意味があるかと考えていては、飛び込めませんでした。ご縁だと思ったら、とりあえずやってみた結果、今があります。



気がつけば、50歳まで一年を切りました。

子供の頃、次のようなことをやってみたいと漠然と思っていました。
・ショートケーキではなく、ホールケーキを食べたい
・コーラを浴びるように飲みたい
・アメリカにいって英語で仕事してみたい
・社長と呼ばれてみたい
・お金を稼いで贅沢してみたい
・格好いい車にのってみたい
・世界を旅したい
・出家したい

このように振り返ってみて、子供の頃から漠然と心にあったことは、一度はやってみたことに気付きました。出家はしていませんが、禅の修行はさせていただいています。

この与えられた命でやっておかなければならないことだけは、50歳を前にしてやりきったような気がします。とりあえず夏休みの宿題は片付けました(笑)


あなたは、やり残したことがありますか?


明日あの世に旅立つとして、やっておけばよかったと思うことはないでしょうか?

やってみたいことと、やらなければいけないことは、違います。やらなければならないことは、やってみないといけないのです。



一度やってみる人生には、3つの心構えがあります。

1. 直感を信じて、意味のないことをやってみる。
2. 頼まれたら、とりあえず引き受けてみる。
3. 損得を超えて、誰かの何かのお役に立ってみる。

一度やってみるには、出来るだけ荷物を軽くすることです。それは物質的な荷物だけでなく、心の荷物もです。

なかなか旅立てないという方は、少し荷物が重いのかもしれません。まず、荷物を減らすところから始めましょう。

かるーく出発して、いけるところまで行ったらいいのです。この旅では、何を成し遂げるかは、まったく重要ではないのです。上手くいくかどうかが重要なのでもありません。どこまで行けるかも分かりません。でも、それでいいのです。

歩き出すかどうかが分岐点。

歩き出した瞬間から新たな出会いがはじまっています。ご縁が宝なのです。




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