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ZEMAITISの魅力 9
新たな価値観、パール・フロント
70年代、ゼマイティス・ギターの代名詞となったメタル・フロントは、ロック・ギタリストのステイタスとなり、トニーの元には世界中から製作依頼が寄せられるようになりました。
しかしトニーは、その名声に甘んじることはありませんでした。
「メタル・フロントとは全く異なる美しさのギターを作りたい…」。
彼の創作意欲は止まるところを知りませんでした。
70年代半ばになると、トニーはとんでもないアイディアを思いつきます。
「…ジュエリーのように美しいギターができないだろうか…」。
そのアイディアは、やがてパール・フロント・モデルの誕生に繋がって行きました。
貴重な厚い天然マザー・オブ・パールを幾何学的にボディトップやヘッドに施したパール・フロントは、ステージライトを浴びることでより鮮やかに輝き、ゼマイティス・ギターの美しさをさらに強く印象付けました。
パール・フロントの第 1 号をオーダーした人物は、ゼマイティス・ コレクターとしても知られるロン・ウッドです。
1980年代に入ると、ゼマイティス・ギターの品質、スタイル、プレイアビリティ、サウンドは、すでに世界最高峰のギターとして揺ぎ無いものとなっていました。
ギター・コレクターやゼマイティス・ギターに憧れる世界中のギタリスト達は、ゼマイティスを手に入れようと探し求めましたが、元々年間に6~10本程度しか製作されておらず、しかもオーダーメイドが完成するまでには長い歳月を要するため、中古市場の価格は驚く程に高騰していきました。
それでも、トニーのギター製作に対する姿勢は変わることはなく、外部の力を借りることもせずに一人自分の工房で黙々とギター製作を行う毎日が続いていきました。
また多忙を極めた80年代にも、有名ミュージシャンや一部のコレクターのためではなく、純粋にギターを愛する若手プレイヤー達にも手が届くようなスチューデント・モデルの製作を行っています。
顧客が誰であろうとトニーが作るギターは演奏性に優れ、素晴らしいサウンドを約束します。
それはトニーの職人としての魂でもありました。
彼は常に厳選されたマホガニー材を使用したネック、耐久性に優れた特殊な構造のネックジョイント、そして最高のサウンドにこだわりながらギター製作を続けていました。
それは、品質、クラフトマンシップ、斬新なアイディア、そして世界中のゼマイティス・ファンからの暖かい声援がひとつになることで、長年続けることができたのです。
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