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ZEMAITISの魅力 7

・エレクトリック・ギターの登場

アコースティック・ギターの製作家として人気が出始めたトニーですが、
ロック色が益々強まる60年代末の英国音楽シーンに向けて、
ソリッド・ボディのエレクトリック・ギターの製作に着手します。

アコースティックとエレクトリックでは、楽器としての構造、音作りの原理、木材の使い方、基本的なデザイン、パーツ類など全てが異なります。

アコースティック・ギターを長年製作してきたトニーにとって、これは大いなる挑戦だったに違いありません。

しかし、製作意欲が盛んな若きルシアーは、ギター作りに対する情熱と何事にも全力で立ち向かうその前向きな姿勢で、新たな価値観を持ったオリジナル・エレクトリック・ギターを生み出していきます…。

60年代末から70年に掛けて、トニーはエレクトリック・ギターの開発に情熱を燃やします。

当初製作されたギターは、一見ソリッド・ボディですが内部に空洞を設けたホロー構造のプロトタイプでした。

さらにいくつもの異なるボディ構造のプロトタイプを製作し様々なデザインやアイディアを模索、研究する中でやがてソリッド・ボディのエレクトリック・ギターにたどり着きました。

開発の過程で製作されたプロトタイプの幾つかはその後ジョージ・ハリスンのギター・コレクションともなりました。

また、最初期のプロトタイプのひとつが現在のブランドホルダーである神田商会の貴重な資料として保管されています。
(現在「ZEMAITIS / GRECO OSAKA SHOWROOM」に展示されています。)

そうしてようやく完成したゼマイティスのエレクトリック・ギターは、ロック・シーンに登場するや否やギタリスト達に強烈なインパクトを与え、視線を釘付けにしました。

ゼマイティスの名はイギリスはもとよりアメリカ、ヨーロッパでも注目を集め、その名声が確立されていきます。


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