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第2死 日本庭園で死ぬ

今日も今日とて絶景で死ぬ

今回私が死ぬ直前に見た絶景は
『日本庭園に降り注ぐ日光と鯉』

場所は福井県 養浩館

江戸時代に福井藩主松平家の別邸として作られた庭園。

降り注ぐ日光を池の水が
座敷の襖や天井に反射させている。
全ての襖が開け放たれているため
初夏にしてはとても涼しい。

"ここなら死ねる"
ここは私の中で絶景として認定されたらしい。
『そこで死ぬので写真撮ってください』

庭園の石畳の上に横たわると
ひんやり、しかしゴツゴツとした感触が背中越しに伝わる。
隣では鯉がゆっくりパシャパシャと泳いでいる。

臨死モードに入るため
ゆっくりと目を瞑り、息を止める。

私は歴史に明るくはないが
かつて江戸時代のお偉いさんも
この石の上を歩いたんだろう。
約400年の時を超え
どこの馬の骨とも知らないやつが
勝手に死んでいるとは思わないだろう。
お邪魔してます。
本当に美しい庭園ですね。
あなたも「ここで死にたい」
そう思ってたりしてたのでは?
すぐ生き返るのでちょっとだけ許してね。
など考えていたりしていた。

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