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税理士に頼まないで自分で相続税申告する人を税務署はどう見ているか元国税が本当のことを教えます。

1 自分で相続税申告する人を税理士はどのように見ているか

 税理士事務所のホームページに相続税の税務調査率が高いことや土地評価の誤り等で致命傷を負いかねないと記載し、相続税申告は必ず税理士に頼もうと言っている税理士が多いです。税理士は、自分で相続税申告をする人は危ない申告をしてしまうと考えている方が多いです。

2 自分で相続税申告する人を税務署はどのように見ているか

 他方、相続人としては税理士報酬を安く抑えたいため、自分で相続税申告をしたいと方も多くいます。自分で相続税申告する方も昨今多いことから申告書を受け付ける税務署はどのように考えているのでしょうか。税理士と同じように考えているのでしょうか。

 税務署は、特に指摘することがないのであれば、自分で相続税申告をしても構わないと思っています。
 元国税調査官から見ても、総遺産5,000万円以下であれば自分で申告してもそこまでリスクはない
ように感じます。但し、後述するように審査は厳しくなりますのでその点は注意してください。
 また、分割協議が特に問題なく済むようであれば専門家を絶対にいれる必要はないと考えます。

3 税理士に相続税申告を依頼した方がいい人

  相続税申告を税理士に依頼した方がいい場合として、二次相続の節税対策・分割の調整等が必要な場合は、第三者である税理士がいた方が事がスムーズに進むことが多いです。実際相続人同士で調整した結果、泥沼のような争続になることもありえます。

 また、分割調整の失敗により一次二次相続トータルで考えると何百万円・何千万円損することが普通にありますので、そういう心配がある場合には税理士に頼んだ方がいいです。

 さらに、相続税申告は初めての方や慣れていない方が多く、通常やるべきルールに則り申告していない場合、税務署から書類の提出不備や修正申告の勧奨・最悪の場合税務調査の選定に至ってしまう場合も多いです。また、税理士を使わない申告は、審査過程で税務調査の選定になりやすいのは間違いありません。私も相続税申告を全件審査する立場として、自主申告事案の提出不備や修正申告の勧奨や税務調査選定をよく行っていました。
 相続税申告においてリスクを取りたくない方は税理士に依頼することをおすすめします。

4 自分で相続税申告をする人はどういう人が向いているか

 ただ、相続人自身が知識を有していたり、申告方法にこだわりがある方、時間がある方、相続税申告に興味がある方、申告方法や内容に特に心配がない方にとっては、自分で相続税申告を行うといった選択肢もありえると考えます。

5 自分で相続税申告をやる方は税理士に相談できるか

 税理士事務所は自分で相続税申告をやる方の相談等は行っていない事務所がほとんどなので、税務署等に相談しましょう。

6 自分で相続税申告をする場合のおすすめソフト

 相続税申告方法が分からない方は、「AI相続」という無料のソフトがおすすめです。完全無料で申告書の提出まで可能です有料ですが、土地評価サービスや相続税の税務調査立会(元国税調査官の立会い)サービスもあります。

この記事の監修者:元国税調査官税理士 石井聡
 
国税専門官として相続税の査察調査や内部担当まで広く資産税実務に従事する。退職後、相続専門税理士事務所(しんゆり相続)を開業し、税理士法人ともにの外部顧問やAI相続で税務調査立会請負人を務める。

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