この期に及んでインボイス理解してないやついるか?いねえよなあ!?③

①、②はインボイス導入派の意見を中心に説明しました。
③では反対意見を中心に紹介しようと思います。

◯ 反対意見① 本当に価格転嫁できてるのか
消費税は価格転嫁が前提となっています。
つまり、
適正な価格 + 消費税 = 取引価格
ということが前提ですね。

適正な価格が100円とすれば、100円✕10%=110円で取引をするという感じです。

一方で、本当にこの世の全ての取引はそのように取引価格が決められているのでしょうか。
端数が出たら丸めて値引きしたり、
消費税もコミコミで、値引きをしたり、
しませんか?

例えばあなたが八百屋でりんごを買うとして、
八百屋「りんご一個100円だよ〜」
あなた「へー安いね、一つください。」
八百屋「あいよー100円が適正価格でそれに10%かけて110円ねー」
と言われたら?
なんかモヤモヤしませんか?
実際には総額表示義務の違反などの可能性がありますが、それはおいておいて。

もう一つの例としてあなたが下請けのSEだとして。
100万ポッキリで頼むわ〜と得意先に言われたとして。
それに10万円消費税を上乗せできますか?

ですからあくまで上の式は消費税上の理想にすぎず、実際には、

取引価格 ✕ 1.1 ÷ 0.1 = 消費税

であるに過ぎない、という考え方です。

かりに消費税が価格転嫁できなかったときに、税務署にいって、「すいません価格転嫁できませんでした〜」といっても、それは知りません。と言われるでしょう。
そうすると、転嫁できなかった分は事業者が負担することになります。

反対論①をまとめると、「実務では理論的に価格転嫁できてないよね?」
ということです。

◯ 反対論② 消費税は預り金ではない。

消費税は預り金ではなく対価の一部であるということです。
ただ事業者は、課税売上と課税仕入れの差額の消費税相当額を納税するに過ぎない、いわば消費税は第二事業税的性質だという論調です。
つまり請求書に消費税とか書いてるけど、それは預かっているわけじゃなくて、対価の一部としてもらっているだけだ、ということ。
実は過去の判例で、国税庁が自ら消費税は預り金ではなく対価の一部、と主張した判決が確定しています。

預り金でなければ、免税事業者の”益税”という問題もそもそも発生しないはずです。
預かっている税金を払わないのはけしからん!というのが益税ですから。

◯ 反対論③ 免税事業者は当然に認められる権利
免税事業者の益税という問題があります。そもそも1,000万円以下の事業者が消費税を納めなくていいと言うのはおかしいという論調があります。
ただ消費税に限らず税制は、低所得者や小規模な事業者に対しての配慮がいたるところになされています。
法人税率は中小企業は低く設定されています。所得税も基礎控除により、一定の低所得者は納税の義務がありません。
それと同等に考えるべき、という論調です。

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