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【DAO】国営でも私営でもない、Code営(公営)

これまで様々なサービスは「国営」と「私営」の間を行ったり来たりしてきた。
鉄道でいえば、国鉄(国営)の時代もあれば、JR(ほぼ私営)の時代もある。

国営と私営が重なるサービスもある。
保険でいえば、国営の健康保険もあるし
それで物足りないと感じる人がいれば、民間の保険を追加することもできる。

「国営しかないでしょ」という感覚になるお金(貨幣)も
ハイエク兄さんが言うように「民間発行の貨幣も参加して価値の安定を競い合う」ということがあり得る。

様々なサービスは国営にもなりえるし、私営にもなりえるし、同時並走もありえる。

《追記》
最近地方在住の若い人と話してて「転職エージェント(民営)に依頼しようと思ったことないです。ハローワーク(国営)は紹介求人案件めちゃくちゃ多いし、親身になってサポートしてくれますよ」というのを聞いて、人材業界もそうなんだなぁと思った。
※私自身は転職エージェントもハローワークも使ったことないので比較できないけど。

■国営化の圧力
みんなが使うサービスになればなるほど
それが生活インフラとして欠かせないものになればなるほど

「これって、ひとつの営利企業に任せてたら心配じゃない?
(この鉄道は生活に欠かせないのに利益出ないから廃線になるの?)」

「これって、ひとつの民間企業(株主)がボロ儲けして不公平じゃない?」

「これって、うちらのデータを集めすぎ&濫用されすぎじゃない?」 

ということになり、国営化の圧力が働く。

Web3に関する議論だと「BigTechが信用できない」という考え方はこちら側に分類できると思う。

■民営化の圧力
けど、国営化してみると

「これって、国に任せてたら効率悪いし、イノベーションも生まれないから(むしろ邪魔するから)、民間に競争させたほうがよくない?」

「これって、国にうちらの個人情報を取られすぎじゃない?」
※日本だとこういう心配はあまりない気もするが。

「不祥事あっても淘汰されないのおかしくない?」

ということになり、民営化の圧力が働く。

Web3に関する議論だと「国が信用できない」という考え方はこちら側に分類できると思う。

このようにして、人間の長い歴史でみると
様々なサービスが、国営と私営の間を行ったり来たりしてる気がする。

■Code営(公営)の登場
DAO・DAComは
国営でもなく、私営でもないかたちを可能にしてくれる運営形態といえる。
それは、国でも民間企業でもない”Code”によってサービスを運営させる。

国営サービスをCode営化すると

①ブルシット・ジョブズがなくなる
各問題について専門知識をもっていて、かつ、モチベーションの高いメンバーが集まるはずなので、効率は良いはず。

②イノベーションが起こりえる
DAO同士、もしくは、DAOに参加しているメンバー同士のアイディア競争によってイノベーションが生まれる余地もある。

私営サービスをCode営化すると

①サービスの持続性
Code自体は半永久的に機能するため、生活インフラとしてのサービスの持続性は期待することができる。

②不公平感の解消
サービスに貢献して人が利益を得るかたちも作ろうと思えば作れるため、不公平感のようなものも生まれにくくなる。

■Code営の推進者
誰がCode営を推進するかの話。

国がCode営化を推進しようとしても
その行き着く先は、国が自らを解体することにもなりかねないため
国(官僚)にとってはそれを推進するインセンティブは大きいものではない。

民間企業(特に上場企業)がCode営化を推進しようとしても
それは「既存株主」の利益を削って、「Code営の参加メンバー」に利益を配ることになるため
既存株主にとってはそれを推進するインセンティブは大きいものではない。

仮に「既存株主」の納得するかたちを見つけられたとしても
「Code営の参加メンバー」からしたら、それは納得できるものにならない可能性がある。

【例】NFTマーケットプレイス領域における「Opensea(株主への還元を優先?)」に対しての「Looksrare(コミュニティへの還元)」の台頭など。
参考:https://www.youtube.com/watch?v=C9fuGx2iYyI

Web3の議論が盛り上がり
国や上場企業がCode営のような取り組みを推進しようという動きが出ているが
両者とも、Code営の推進者としてはハンデを背負っているような気がする。

Code営は、生まれながらにCode営な組織(Code営ネイティブな組織)が推進しやすくて、これからCode営ネイティブな組織が増えていくのではないか。

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