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Web2.0の不公平感 ~「スウェット・エクイティ」の見直し~

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▼Steemのホワイトペーパーより

「Reddit、Facebook、Twitterといったソーシャルメディア上でユーザーがつくったコンテンツは数十億ドルものバリューを生み出してきたが、そのバリューはソーシャルメディア企業の株主に還元されている。」

※時価総額の観点でいえば数十億ドルどころではなく数千億ドルな気もする。
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▼Audiusのホワイトペーパーより

「2017年、音楽産業は430億ドルの売上を創出したが、アーティスに還元されているのはそのうち12%(約50億ドル)のみである。」
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これらのWeb3系プロジェクトのホワイトペーパーで取り上げられているテーマは、「中間搾取」というやつである。

■これまで
インフルエンサーが手間暇かけて投稿してSNSを盛り上げる。
投稿を考えるのに時間はかかる。撮影準備にお金もかかる。
けど、盛り上がったSNSの売上(広告費など)の大半はインフルエンサーではなくSNS企業に還元される。

インフルエンサーは「そうそうそう、うちらが頑張るやん?広告費入ってくるやん?ほんで、その広告費を御社にどうぞ、ってなんでやねん」状態である。

バンドマンが手間暇かけて作曲してヒットしても
売上の88%はレーベル・事務所・小売店などに還元される。

アプリ開発会社が手間暇かけてアプリを開発してヒットしても
Google税・Apple税というやつが重くのしかかる。

もちろん、中間搾取者はこう言うだろう。
「いや、プラットフォームを使うって、そういうことやから」

中間搾取者も今のポジションを占めるまでに手間暇をかけてきたわけだし、今のポジションを占め続けるために手間暇をかけつづける必要がある。

プラットフォームのユーザーもそのことを理解している。
「プラットフォームを使うって、そういうことだよね」という感じで振る舞ったほうが物わかりのいいヤツに見える。

■現在
けど、「そうは言っても、やりすぎとちゃいます?」と感じた、いい意味で物わかりの悪いヤツたちが、中間搾取にNoを言い始めている。

「手間暇(=汗=スウェット)という資産をもうちょい評価してぇな」と言い始めている。

マルクスの兄さんはお墓の中から「それや、オレはそれを言いたかったんや!みんな、もういっぺん団結や!」と叫んでいるかもしれない。

そういうスウェット・エクイティの見直しの一つとしてWeb3が出てきたと見ることもできる。

説明を大幅に端折るが、Web3という言葉に「自分のデータを自分で管理する(耐検閲性)」という意志を込める人が多いが、「自分のデータを自分の収益にする」という意志も込めたほうが(しかも多めに込めといたほうが)、多くの人にとって実感が湧きやすくなるし、ワクワク感も出るのではないか。


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