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Reanimator (mtg Old school)

どうももすぎです。4/23日にとある有名芸能人が主催するオールドスクールの大会"OSfT(OldSchool from Tokyo)"に参加しました。このとき使用した変なデッキ、オールドスクールにおける「リアニメイト」デッキについて考察します。

1.デッキ概要


デッキの特徴としては「墓地に大型クリーチャーを落とし蘇生呪文で戦場に戻すことで、安いコストで強力なクリーチャーを使う」というもので、mtgでは代表的な釣竿(蘇生呪文)のReanimate/再活性から名前をとって「リアニメイト」とよく呼ばれます。リアニメイトデッキにおいて重要となるものは、
①クリーチャーを墓地に落とす手段
②クリーチャーを墓地から戦場に戻す呪文
③墓地から出すクリーチャー
の3つです。
リアニメイトが比較的メジャーなデッキとして存在するレガシーでは、わずか再活性や死体発掘など1〜2マナの釣竿でグリセルブランドや偉大なる統一者、アトラクサのような強力かつアドバンテージが取れるクリーチャーが採用されます。
しかし、オールドスクールにおいてはいくらマナコストが大きいクリーチャーといえど簡単にアドバンテージが取れるクリーチャーはいなく、なんなら維持コストを求められるためクリーチャーの選択が非常に難しくなります。

2.デッキ構築


デッキ構築が難しくほとんど見かけなかったデッキですが、とある関東のヴィンテージ・オールドスクール強豪プレイヤーである方が上手く?リアニメイトデッキを構築していたので、私もそれに倣う形で構築を行ったため考察について変な部分があるかもしれませんがご了承ください。
私が使用したデッキリストは以下のものです。

土地
4 Scrabland
4 真鍮の都
4 露天鉱床
4 Mishra's Workshop
4 Bazaar of Baghdad
1 Underground Sea
1 Library of Alexandria
1 Diamond Valley

クリーチャー
4 踊る円月刀
4 トリスケリオン
4 テトラバス

呪文
1 Black Lotus
1 Mox Sapphire
1 Mox Jet
1 Mox Ruby
1 Mox Pearl
1 Mox Emerald
1 太陽の指輪
1 Chaos Orb
1 Ancestral Recall
1 Time Walk
1 Wheel of Fortune
1 悪魔の教示者
1 精神錯乱
4 動く死体
3 All Hallow's Eve
2 剣を鍬に
2 解呪
1 The Abyss

サイドボード
4 ネビニラルの円盤
4 氷の干渉器
2 解呪
2 トーモッドの墓所
1 平地
1 剣を鍬に
1 天秤


OSfT5にて実際に使用したデッキ


①クリーチャーを墓地に落とす手段についてですが、Bazaar of Baghdadに頼ることになります。タップのみで2ドロー3ディスカードするという、オールドスクールにおいてはこのデッキの為の土地と言えます。クリーチャーを墓地に落とすのが主ですが、ゲーム中盤以降は手札の入れ替えとしても優秀な土地です。
②のクリーチャーを戦場に戻す手段としては、2マナの動く死体と4マナのAll Hallow's Eveの2種類を採用します。動く死体は1Bのエンチャントで、墓地のクリーチャーを-1/0修正した状態で戦場に戻すシンプルな釣竿で、レガシーでもよく採用されます。All Hallow's Eveは2BBのソーサリーで、テキストは「悲鳴カウンターを2個置いた状態でこれを追放し、あなたのアップキープ開始時に悲鳴カウンターを1つ取り除き、最後の1つを取り除いたら全ての墓地のクリーチャーをオーナーの戦場に戻し、これを墓地に置く。」というややこしいテキストですが、要は2ターン後に全クリーチャーが墓地から戻ってきます。4マナと重いですが墓地次第では凄まじいアドバンテージが取れます。
③墓地から出すクリーチャーは、トリスケリオンとテトラバスが採用されます。トリスケリオンは1/1で+1/+1カウンターが3個乗って出てきます。+1/+1カウンターを1つ取り除くことで好きな対象に1点のダメージを与えます。テトラバスは1/1飛行でトリスケリオン同様に+1/+1カウンターが3個乗って出ます。自分のアップキープ開始時に、+1/+1カウンターを好きなだけ取り除き、1/1飛行のテトラバイトトークンを出すことと、好きな数のテトラバイトトークンを追放することでその数だけ+1/+1カウンターをテトラバスに乗せることができます。どちらも6マナのアーティファクトクリーチャーで、オールドスクール界においてはハイスペッククリーチャーでありマナコストを踏み倒す価値は十分にあります。中盤以降はワークショップのマナから唱える事も十分可能であることも良い点です。
その他のいくつかの採用カードとその理由について以下に記述します。
・Ancestral Recall,Time Walk
Ancestral Recallは最早説明不要のリソース増強カードです。Time Walkはクリーチャーの戦闘回数を増やせるだけでなくAll Hallow's Eveのカウントを進めることにも役立ちます。また、この2枚のためにUnderground Seaを1枚と真鍮の都を4枚採用しています。
・Library of Alexandria
このデッキの数少ないアドバンテージソースです。初手にあればこのカードだけで勝てる場合があるため採用してます。
・露天鉱床
相手のLibrary of Alexandriaやミシュラの工廠を破壊するために必須です。
・Chaos Orb
色を選ばない2マナの万能除去で、基本的には入れない理由がありません。
・各種Mox,太陽の指輪
サイドボード含めてマナコストが重めのアーティファクトが多いため、全て採用してます。またバザーオブバグダッドを置いたターンに置けることも大切です。
・悪魔の教示者,精神錯乱
黒が入ってるなら入れない理由がありません。
・踊る円月刀
4マナ1/5飛行のアーティファクトクリーチャーです。Mishra's Workshopのマナがあれば序盤から出せ、飛行とタフ5のおかげでセレンディブのイフリートやセラの天使などの優秀なフライヤー含め環境に存在するだいたいのクリーチャーを止められます。
・Diamond Valley
タップとクリーチャー1体の生贄でそのクリーチャーのタフネス分のライフを回復する土地です。+1/+1カウンターを使い切ったトリスケリオンを生贄にして再度釣り上げる、All Hallow's Eve解決前に起動する、剣を鍬に等の追放除去に対応してクリーチャーを墓地に落とす、クロックが早い相手に対しての延命手段など使い勝手はなかなかです。
・Wheel of Fortune
お互いに手札を全て捨てて7枚引く手札補充呪文ですが、墓地肥やしにも使えます。また相手が強力なクリーチャーを捨てていれば動く死体で釣り上げることも選択肢になります。このデッキ唯一の赤いカードで、赤マナ源は基本的に真鍮の都4枚に頼ることになります。
・The Abyss
3黒のワールドエンチャントで、各プレイヤーのアップキープ開始時に、そのプレイヤーは自分がコントロールするアーティファクトでないクリーチャー1体を対象にして破壊します。こちらのクリーチャーは全てアーティファクトであるため基本的には相手だけ被害を受けます。
・剣を鍬に,解呪
白なら入れない理由がない優秀な除去です。特に剣を鍬には追放除去なのでAll Hallow's Eveで相手に再利用されることもありません。
・ネビニラルの円盤
アーティファクト、エンチャント、クリーチャーに対する全体除去で、早いターンからクリーチャーを並べるウィニーやマナソースやアドバンテージソースとしてアーティファクトを並べるザデックなどに有効です。
・氷の干渉器
少ないクリーチャーで攻める中速デッキなどに対して使います。
・天秤
こちらはBazaar of Baghdadによりアドバンテージを失いがちなので、相手にも損失を押し付けることができます。
・平地
黒単のような土地破壊が多いデッキや、血染めの月デッキに対して使います。
・トーモッドの墓所
似たようなコンセプトのデッキに対して使います。

3.デッキ調整

実際にデッキを使って調整の余地を感じたカードについて記述します。
①採用しても良さそうなカード
・Timetwister
墓地が全て無くなるため採用しませんでしたが、バザーオブバグダッドや各種マナアーティファクトによって手札の消費が激しいこと、またワークショップのおかげでマナが伸びやすくクリーチャーを唱える機会が多く墓地にそこまで依存しないためリソース回復手段として採用しても良さそうです。
・天秤
今回はサイドでの採用でしたが、クリーチャーに対する全体除去や手札破壊、土地破壊として欲しい場面が多々ありメイン採用でも良さそうです。
・Undergrond Sea
土地が足りなくなりがちであったため、もう1枚採用しても良いかもしれません。
・ネビニラルの円盤
こちらもサイド採用でしたが、流したい盤面が多くメイン採用でも良さそうです。
・Copy Artifact
相手がアーティファクトデッキ主体のデッキであれば僅か2マナでコピーできるため、今回は青マナ不足を懸念して採用しませんでしたがサイドに2枚程度あっても良さそうです。

②採用しなくても良さそうなカード
・氷の干渉器
タップによる妨害よりもネビニラルの円盤で盤面を流した方が強い状況が多かったため、不採用でもいいかもしれません。
・The Abyss
ザデックやエスパーロボッツのような刺さらない相手が多いため、メイン不採用でも良さそうです。ただし、サイドに採用するなら2枚あっても良さそうです。
・トーモッドの墓所
墓地利用するデッキが環境にほとんどいないことと、墓地に依存しなくても戦えることから不採用でも良さそうです。

4.終わりに

今回はオールドスクールの中でも異色なデッキを組んで大会に臨みましたが、正直なところ正しいプレイングがまだよくわからないというのが感想です。Bazaar of Baghdadはヴィンテージと違って純粋にアドバンテージを失うため起動するしないといった使い所の難しさや、リアニメイト戦略とMishra's Workshopによるマナ加速戦略のどちらを目指すか、All Hallow's Eveを唱えるタイミングなど悩ましい場面が多いです。それでも、リアニメイト戦略特有のズルや、ワークショップ戦略特有のズルができる豪快なデッキあり回しててとても楽しいデッキです。
ただ、全て本物のカードで組むとハードルがとても高いのであまり人にオススメできるデッキではありません。


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