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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【5月15日㈬~5月21日㈫】

5月14日から始まった第77回カンヌ国際映画祭も、いよいよ終盤戦。単身参加していた弊社スタッフOも無事昨夕帰国して、今日から出社しています。Oからカンヌの様子をいろいろ聞きたかったのですが、コンペ部門に出品されている有名監督の作品などとは私と同じく当然無縁なので、“どの監督の映画が売れた“とか“パルムドールは〇〇が下馬評が高い“とか、カンヌらしいネタは、東京にいてネットやメールをチェックして情報収集していた私のほうがよっぽど詳しい感じです(笑)。

Oが大手予約サイトを通じて押さえていたアパートが、オーナーの携帯が全く繋がらず、詐欺に遭ってしまったのは、先週お伝えした通りですが、急遽現地で探して借りたアパートは、オーナーがそこに住んでいるまま、振り分けの寝室を間貸ししている形だったそう。何しろ“急遽“だったので、それを承知で決めたそうですが、幸いそのオーナーがとても良い人で、プライバシーも守られて快適だったみたいです。1泊に5万円以上払う覚悟があれば、どこかしらキャンセルが出たホテルの部屋を確保出来る可能性もあったと思いますが、そこはちゃんと会社のことを考えて経費を抑えてくれたOなのでした。ありがたや。後は大手予約サイトに振り込み済みの、騙し取られた最初のアパート代、何とかして取り戻してね♡

さて。『オオカミの家』のクリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ監督コンビによる新作『Los hiperbóreos(『THE HYPERBOREANS』が、監督週間に出品されていたのは、先週もここで触れた通り。公式上映は16日と17日。プロデューサーのCatalinaさんが、Oのためにチケットを用意してくれることになっていたのに、当日朝になっても「まだ入手出来てません」とLINEが入って来ていて心配していたのですが、コシーニャ監督のインスタのストーリーに上映前の会場の様子がアップされていて、ぼんやり席に座るOの姿が確認出来ました。便利な世の中(笑)。Catalinaさん、お忙しいところありがとうございました。

今回の映画は、“数年前に盗難された、ナチズムを擁護した狂気の詩人で外交官のミゲル・セラーノに関する映画を、再構成/再構築して仕上げていく“という体裁を持った映画だそうで(゚Д゚≡゚Д゚)?、『オオカミの家』とは趣が異なるのは、アントニア・ギーセンという俳優さん演じる生身の人間が主人公である、という点。手書きの背景が目まぐるしく変わるのは相変わらずで、アントニアも時々パペットに変わったりするみたい。予告でも確認出来ますが、監督2人とおぼしき人物も登場するそうです。

監督週間の作品の上映会場は、クロワゼット通り沿いの高級ホテル、JWマリオットの地下にあるTheatre Croisette。ワールドプレミアとなった16日、およそ800席ある会場はほぼ満席だったそうで、期待の高さが伺えます。が、その一方で、おそらく『オオカミの家』の存在も知らず、何の予備知識もない人も紛れ込んでいたと思われ、上映が始まるや否や「いったい何を見せられているのだ」と困惑して退出していく人が結構いた(目算20名ぐらいとのこと)とのことでした。Oの感想も同じく「いったい何を見せられているのだ、と思った」だったけど、それは“困惑”では無く“驚き”の意味で。もちろん最後までちゃんと観ました。

上映後は、レオン&コシーニャ監督にご挨拶することも出来たそうで、サンチャゴで行われたショートフィルム映画祭で、ビデオレターをくれた日本人の若い監督が、コメントの中で「『オオカミの家』が大好きで…」と言ってくれていて、改めて日本でのヒットを実感した」とおっしゃって下さっていたそう。コシーニャ監督は単身、8月14日から開催されるひろしまアニメーションシーズン2024のコンペティション部門審査員として来日するのが決定していて、レオン&コシーニャのレトロスペクティヴもプログラムに盛り込まれる予定なので、きっとその際に日本での人気ぶりを、もっとリアルに肌で感じてもらえるのではないかと思います。

Staff Oから直接話を聞いたり、LINEで繋がっている業界の友人たちの短い報告を読んだりしてカンヌに思いを馳せつつも、先週から取り掛かっている仕事が、8月9日㈮公開の『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』に続いて、9月下旬に公開する新作の作り込み。情報解禁に向けて、ビジュアル、予告編制作の作業に入っています。

これが悩みまくり。実は邦題もまだ決まっていません。最終的に3つの候補が残っているので、デザイナーさんが出してくれるラフ案に、それぞれの邦題案をのせて、どれが一番しっくりくるか、試したりしています。「原題のままが一番」と考える方も多いので、いじらないほうが良いのかな…と思いつつ、題名を目にしたり、耳にしたりしただけでは、中身が何も想像出来ないのもどうなの?という話もあり…。6月中旬にはお披露目出来る予定なので、もう少々お待ち下さい。

同時進行で『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』の第2弾ビジュアル(本ビジュアル)、本予告も鋭意準備中。引き続きカッチョいいものをお見せすべく、デザイナーさん、予告編ディレクターが頑張ってくれています。こちらもご期待下さい!

texte de daisuke SHIMURA






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