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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【8月30日㈬~9月5日㈫】

11月10日㈮より公開の次回配給作、ジャンニ・アメリオ監督作品『蟻の王』の予告編が、先週ネット上でも解禁になりました。下に貼りましたので、どうぞご覧になってみて下さい!

全国順次公開中『オオカミの家』関連の仕事が途切れず(パンフレットを増刷して発送したり、新たな劇場さんと上映のご相談をしたり…)、まだまだ社内が“オオカミ”モードで、ふと気が付くと当分先だと思っていた『蟻の王』の初日まで2ヶ月ちょっと。うっかりしていると、“いつの間にか上映が始まり、いつの間にか終わっていた…”という悲しい結果になりかねない、と危機感を募らせて、昨日はザジでは珍しく(!)社内で宣伝会議をやったりして、どうすれば多くのお客様に情報が届いて、映画を観に来て頂けるだろうか?と知恵を絞っています。オンラインでの監督インタビューや、出演者の方のオンライン登壇など、引き受けて頂ければバンバン仕込みたいところです。

『蟻の王』は、同性愛差別が蔓延る1960年代のイタリアを舞台に、“教唆罪”で裁判にかけられた詩人で劇作家の主人公アルド・ブライバンティ(ルイジ・ロ・カーショ)と、その恋人エットレ(レオナルド・マルテーゼ)を描く実話にインスパイアされたドラマですが、60年以上前の出来事にも関わらず、完全に今の時代と地続きの話。さすがに2023年の今日、電気ショックを与えて“治療”をしようとする病院が、世界のどこかにあるとは思えませんが(ありませんよね??)、登場人物たちの発するセリフに、ドキッとしたり、ハッとすることも多いです。差別まみれの裁判に異を唱えて反対運動を行うグループの女性(エリオ・ジェルマーノ扮する新聞記者の従妹)が言う「私たちの怒りが向かうのは、安全圏にいる人々、“明日は我が身と思わない人々”」というセリフを、敢えて予告編の中に織り込んで“地続き感”を強調してみました。狙いが成功していると良いのですが…。

さて。引き続き大好評上映中の『オオカミの家』(同時上映:短編『骨』)ですが、公開3週目の週末も渋谷シアター・イメージフォーラムでは満席回が続出して、勢いが衰えていません。一週間公開が早まったシネ・リーブル梅田アップリンク京都でも満席が出て、全国に“オオカミ旋風が広がっているのを実感しています。今週末、8日㈮からはシネ・リーブル神戸シネマート心斎橋シネマテークたかさき長野相生座・ロキシー静岡シネ・ギャラリーでの公開もスタートして、全国14スクリーンでの上映となります。このタイミングで、8日㈮のTBSラジオ アフター6ジャンクション(通称アトロク)の人気コーナー“週間映画時評ムービーウォッチメン”で、ライムスター宇多丸さんによる紹介も決まりました。明日18:00からのオンエアがない地域でも、radikoでもお聴き頂けると思いますのでぜひ!コーナーは18:30頃からです。どんなご感想が飛び出すのか、今から楽しみです!

昨日は、この度のヒットをとても喜んで下さってるレオン&コシーニャ監督からメッセージ動画も届き、各映画サイトでもニュースとして取り上げて頂きました。撮影場所がお二人の共同の工房からなのか、事務所の打ち合わせスペースからなのか興味津々。ホワイトボードには何が書いてあるんでしょうか?そしてクリストバル・レオン監督は、マグで何を飲んでいるのか(笑)。

「子供の頃日本のアニメを見ていた」という話の流れの中で、唐突に登場する「8のチャボ」という謎のタイトル。これは調べてみると1973年から1980年までメキシコのテレビ局で制作され、スペイン語圏で放送されていたシットコム・シリーズ「El Chavo del Ocho」という番組のようで(アニメ化もされているそうなので、そっちのバージョンかな)1980年生まれの両監督なので、おそらく繰り返し再放送されていた子供向け番組なのだと思います。X(旧ツイッター)でも、日本のアニメの話をしているのに、その流れに関係ない、不意に思い出したタイトルを挙げるコシーニャ監督に「そういうおしゃべりのパターン、理解できる、わかるわかる、一気に親近感が湧いた」とつぶやいて下さっている方がいらっしゃいました。文脈無視、“友達同士の会話”あるある、ですよね。

もひとつ、『オオカミの家』関連の告知を。今週末、9月9日㈯の渋谷シアター・イメージフォーラム、12:30の回上映後にトークイベントを開催することになりました。パンフレットにも寄稿して下さっているラテンアメリカ映画研究者、新谷和輝さんにご登壇頂きます。客員研究員としてチリ大学へ留学、先日帰国されたばかりです。オンラインチケット販売(通常料金です)が既に始まっておりますので、ご興味おありの方はお早めにチケットをお買い求め下さい!

9月に入り、年末以降の準備も始めなくてはならないタイミングとなりました。年末は某監督のレトロスペクティヴ、年明けは某旧作の4K上映を予定していて、今週はグラフィック・デザイナーさんとビジュアル・デザインの打ち合わせも行いました。情報解禁は来月から順々に、という感じです(早くお知らせしたいッ!)。とうぞご期待下さい!

texte de daisuke SHIMURA


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