検証：ワクチンで流産が増えることをファイザーが公式文書で認めた？

このような投稿があったので調べて見ました。まずリンク先の記事を読んでみます。

Keep A Distance From The Vaccines! The Pfizer’s Documents Showed It! - The True Defender !
https://thetruedefender.com/keep-a-distance-from-the-vaccines-the-pfizers-documents-showed-it/

確かにワクチンに危険な副作用があるような文章が英語で書かれています。しかし、これは本当にファイザーの公式文書なのでしょうか。そこで「Now you will read part of the document from Pfizer:」という部分をクリックすると、別のサイトに飛びます。

Stay Away From The Vaxxed, It Is Official, From Pfizer’s Own Documents - best news here
https://bestnewshere.com/stay-away-from-the-vaxxed-it-is-official-from-pfizers-own-documents/

これはファイザーのページではなく、別のニュースサイトのようです。先ほどと同じような文章が並んでいますが、元となった文書へのリンクはどこにもありません。あるのは何らかのチャンネル登録を促すものばかりです。

実際のファイザー公式文書を読んでみる

このままではラチがあかないので色々と検索してみましたが、本当の公式文書であろうpdfを見つけました。URLから見て本物だろうと思われます。

( https://cdn.pfizer.com/pfizercom/2020-11/C4591001_Clinical_Protocol_Nov2020.pdf )

DeepL翻訳を頼りに読み進めていきます。これを見ると、確かに「8.3.5.1. Exposure During Pregnancy」という項目があり、妊娠中の女性に対する「暴露」とは何か、ということの定義がいくつも書かれています。最初に見たニュースサイトと同じですね。

そもそも、この「8.3」の章は「Adverse Events and Serious Adverse Events」、つまり「有害事象」に関する記録をどのように取り扱うかについて書いてある部分です。より簡単に言えば、「試験の結果をどうやって記録しておくか」について書かれているということです。「8.3.5.1. Exposure During Pregnancy」の部分は、「このような場合は妊婦への暴露とみなす」と定めているのであり、「こういう場合に悪影響がある」と書いてあるわけではありません。

さて、最初に見たニュースサイトに書いてあったことと、このpdf文書とを比較してみます。

上の画像の色で囲った部分について。この部分はファイザー公式文書には書いてありません。つまり、このニュースサイトが後から付け足したものです。公式文書からの引用部分は字体が斜めになっているのですが、この冒頭の付け足し部分も字が斜めになってしまっているので、「流産する」「母乳を介して赤ちゃんを毒殺する」というような箇所がまるで公式文書からの引用であるかのように見えてしまっているのです。このようなことはファイザー公式文書にはどこにも書いてありません。

結論：ワクチンで流産が増えることをファイザーが公式文書で認めた？

→誤り。ファイザー公式文書にはそのようなことはどこにも書かれていない。