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やさしいお絵描き:序

うまい絵を描くにはもちろん才能というのも必要なのでしょうが、まずは基本的な技術を学ぶということが必要です。小説や論文を書くには、才能うんぬんの前にまずは日本語の読み書きができることが必須なのと似ています。

日本人はまず義務教育で基本的な国語を学ぶことで、大人になれば新聞くらいは辞書も使わずに読めるのが普通ですし、誰でも読める短文をTwitterで投稿する程度のことは普通にできるでしょう。英語を喋ったり英語の新聞を読むは無理としても、街で”Parking"と書いてあればそれが駐車場であることくらいは分かります。
しかし、絵を描くということに関してはどうでしょうか? 同じように義務教育で9年間も図画工作や美術をやっているわりには、幼稚園児レベルで止まっている大人というのは大勢います。

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ちなみにこれは母が描いた「アザラシ」です。いったい何がなんだか。

大の大人がどうしてこんな目にあうのでしょうか。それは、いままで絵を描くための技術をマトモに習ってこなかったからです。少なくとも私の子供の頃は、デッサンの方法といったことは小中高ではまるで授業に登場しませんでした。

子供の芸術をのびのび自由にやらせるのは結構なことです。しかし、基本となる技術をまるで教えていないのは問題です。文字の読み書きを教えていないのに新聞を理解しろ言っているようなものです。んなもん「文字がいっぱいある」で終了じゃんねと。

しかし、いざ大人になってから技術を学ぼうと思って「◯◯の描き方」といった本を買っても、本当に初歩の初歩というようなことはなかなか書いてありません。正しい人体の構造だとか、正しいパースだとか、そういうのはたくさんあるんですが、それ以前の「そもそもモノってどうやって描くんだ?」というようなレベルのことはあまり見かけません。

というわけで、ここではそういったギャップを埋めるような基礎的なことなんかを、数回に分けて記事にしていこうと思います。巷にある教則本を読んで理解できる・真似して実践できるようになる、そして「見てるものを描ける」ようになる。そういったレベルを目指していこうと思います。

次回、「四角いモノをみる」に続きます。

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