「ひらやすみ 2 すごい」2021年12月18日の日記

・『モモ』を読み終わりました。無駄こそがその人の人生を作っている、みたいな感じで、小学生の頃のわたしが読んでいても絶対に内容わからなかっただろうな...と思いながら読んでいた。けっこう難しい語彙が頻出する時点でも大変なのに、設定もけっこうちゃんと読まないと分からない気がする。


・なんか今日はドキュメントをたくさん見てしまったな。『ドキュメント72時間』も『プロフェッショナル』も『情熱大陸』も、ドキュメントというとちょっと外れるけど『ねほりんぱほりん』も見た。熱量の過剰摂取でかなり疲弊しています。

・どれもめっちゃ良かったな。やっぱりストーリーのなさみたいなのがいいのかもしれない。


・喋る藤本タツキすげ〜。めちゃくちゃ「感覚派の天才」視されているマンガ家の一人だと思うけど、インタビューを読んだり聞いたりしていくうち、商業性と作家性のバランス感覚とか、掲載する媒体によっての微調整とか聞くと、断然理論派だと思うようになった。作品は紛れもなく天才のそれだけど...。感覚と理論をハイブリッドで作品に乗っけられる作家ばかりで本当にすごいな...。

・『チェンソーマン』は藤本タツキ自身がやりたいシーンはジャンプではできないな...と考えた結果、できるだけジャンプナイズドしていって、時々やりたいシーンを注入していたらしい。あの内容でジャンプナイズドって。話せば話すほど規格外な感じが溢れ出ていて凄すぎる。



・『ひらやすみ』、めちゃくちゃ良いです。そもそも真造圭伍作品は大好きだけど、今作は良さが大爆発していると思う。主人公のヒロ兄が何考えてるのか分からなかったり、かと思えば核心を突くようなことも言ってみたりの温度感がちょうどいいというか。

・マンガ家を目指しているけど、誰にも打ち明けられずに一人でマンガを描き続けている従姉妹のなっちゃんが最初にその夢を打ち明けられて、描いているマンガも読んでもらったのがヒロ兄だった、という回想シーンがあってそこがめちゃくちゃいいんだよな...。夢を追っているときとか何かを始めたいときの誰にも言いたくなさってたぶん、お前まだそんな夢見てんのかよ的な白眼視を浴びせられる不安から来ることが多い。それは一種の絶望だけど、ヒロ兄は絶対にそんなこと言わないであろう包容力というか、その厳しさみたいなものから離脱させてくれるようなパワーを持っていて、その気安い全肯定みたいなものって用法・容量しだいでは毒にも薬にもなる気がする。なんとなく最初の一歩目の後押しだったり、補助輪つけて練習してる時に後ろに立って自転車のバランスをとってほしい時にそういう人がいるとめっちゃ助かる。まあそういう人の良さみたいなものって、たぶんその萌芽を支えたあとはお役御免になってしまうような悲しい存在だけど...。

・真造圭伍作品って、なんかそんな感じの温度感を持った人間だったり会話だったりを描くのがめちゃくちゃ上手い。必ずしも必要ではないけど、いたらめちゃくちゃ嬉しいであろう関係の二人、みたいなテーマが『森山中教習所』にも『ぼくらのフンカ祭』にもあったけど、『ひらやすみ』はそれをめっちゃ更新している感じで恋愛模様とかも入ってきそうで楽しみです。

・てか今のスピリッツ、連載陣の層めちゃくちゃ厚いな。集英社がジャンプ、講談社がアフタヌーンなら今の小学館の代表マンガ誌はスピリッツだろうなという感じがする。

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