キャッシュメモリの割付方式

コンピュータの処理速度を向上させるために使用されるキャッシュメモリは、データの再利用を可能にすることで高速なデータアクセスを提供します。
キャッシュメモリは、主記憶装置とプロセッサーの間にある小さな高速メモリであり、よくアクセスされるデータをキャッシュに保存することで、アクセス速度を向上させることができます。
キャッシュメモリの割付方式には、ダイレクトマッピング方式、フルアソシエイティブ方式、およびセットアソシエイティブ方式の3つのタイプがあります。以下では、それぞれの方式について詳しく説明します。

ダイレクトマッピング方式

ダイレクトマッピング方式は、キャッシュメモリのアドレス空間の一部が主記憶装置のアドレス空間と重複しているときに使用されます。
この方式では、主記憶装置のブロックをキャッシュのスロットにダイレクトマッピングします。
つまり、主記憶のブロック番号から、キャッシュメモリでのブロック番号が一意に定まります。
キャッシュスロットが一杯になった場合は、新しいデータが格納される前に、キャッシュのスロットに保存されている古いデータが必要に応じて削除されます。
キャッシュメモリのブロック番号算出方法は以下の通りです。
$$ (主記憶のブロック番号)mod(キャッシュメモリの総ブロック数)=キャッシュメモリのブロック番号 $$

フルアソシエイティブ方式

フルアソシエイティブ方式は、キャッシュメモリにすべての主記憶装置のブロックを保存できる場合に使用されます。
この方式では、主記憶装置のブロックをキャッシュメモリに直接保存します。
このため、どのようなデータでもキャッシュに保存することができます。しかし、大量のデータを保存する場合は、メモリの容量が不足する可能性があるため、一般的に使用されることはありません。

セットアソシエイティブ方式

セットアソシエイティブ方式は、ダイレクトマッピング方式とフルアソシエイティブ方式の中間に位置する方式で、キャッシュメモリを複数のセットに分割します。
各セットには複数のスロットがあり、主記憶装置のブロックがセット内の空いているスロットに割り当てられます。
この方式では、主記憶装置のブロックがダイレクトマッピング方式で保存されるよりも多くの場所に保存されるため、キャッシュのミス率が低くなります。
また、フルアソシエイティブ方式と比較して、メモリ容量の使用効率が向上します。

まとめ

  • キャッシュメモリの割付方式には、ダイレクトマッピング方式、フルアソシエイティブ方式、およびセットアソシエイティブ方式の3つのタイプがある

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