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父がガンになりました-1

2022年8月、新型コロナも落ち着き何年振りかに実家に帰省した。父は年老いたところを感じる部分もあったが、元気そうで何よりだった。

帰省から戻り数週間が経った、8月26日。父から電話があった。

いつもは、毎週日曜日の夜に父に電話をして、声色などから様子の変化を読み取るように、私から電話をしていたのだが、この日は、珍しく父から電話があったのだ。

「何か起きたな」

何事もなかったように、電話をとった。

私:どうしたぁ?
父:今日、病院にいったら、ガンかもしれないといわれたんだよ。

いやいや、帰省した時には全くそのような気配すらなかったのだけど、よくよく話しを聞くと、偶然にも胸のレントゲンを、呼吸器専門の医師に診てもらえたらしく、その場で言われたようだ。

偶然にもと書いたのは理由がある。父が住んでいる場所は、いわゆる地方で、病院がどんどん減っていくような地域で、さらに医師も隣県の大学病院から週に一度や月に一度など、お願いしてきていただいている状況なのだ。

この日、幸いにも大学病院の呼吸器の医師が、来ていたことから、指摘を受けることができたのだ。

医師から告げられたものの、精密な検査が必要になるから、いつも通っている病院では行えない。十数キロ離れた病院なら検査はできるらしいとの説明があったようだが、田舎ゆえに、このような話しが、人づてに広がることを懸念した父は、さらに別の病院へ通院することを選択していた。父は、かなり動揺していただろうが、後々、賢明な判断にであったことがわかる。

このガンに対して、受け入れ病院への転院手続きが、どれくらいの日数が必要であるかを、その日時点では確認できないため、電話連絡をしてくれるとのことで、「落ち着いて待って居よう」と伝えて電話を終えた。

なぜ父は、病院へ行ったのか。

少しだけ咳をすることがあるのは、帰省した時に気が付いていたものの、夏の温暖差などで、少し体調を崩していたのだろうとまでしか考えていなかった。しかし、その後、父本人が、息苦しくなってきているとのことで、病院へ診てもらいにいったとのことだった。

数日後、転院先の病院への手続きが終わったとのことで、病院から電話があったことを聞き、この時点では、「ガン疑い」であったため、転院先の病院へ行く際には、私も行くことにした。

当然、通院で終わるのか、入院なのか、さらに別なのか、いろいろと考えはしたものの、長期で行く前提の準備をして、単身、実家に戻った。

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