(mixiから移行) 2006.8.30 『ブルー・ノート』
かならず惹かれる本がある汐留の書店で見つけた本。
この本の中の写真は、作者が敢えて、
『コンタックスT2』というコンパクトカメラで、
露出もピントもすべてオートで撮った、全部が青い写真。
だから『ブルー・ノート』
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『ブルー・ノート』
会社を辞めてカメラマンになろうと思った。
「でも生活できなかったらどうしよう」
と不安な気持ちでいっぱいになった。
人に相談した。
「苦労するに決まってるよ、
好きなことは趣味でやるから楽しいんだって」とみんなに言われた。
「会社辞めなくてよかったなぁ」と思った。
日々の生活は安定してるけれど、日増しにこころが不安定になってきた.。
そんなある日、人生って一度しかないっていう単純なことに気がついた.。
「あぁ、あの時どうして・・・」
と悔やみながら人生を終わるのは嫌だと思った.。
会社を辞めた。
専門学校に入った。
でも、授業料が払えず1年で退学した.。
カメラマンのアシスタントになるのが一番近道だと思った。
ラッキーなことに僕を使ってくれるカメラマンに出会うことができた.。
「やったぁ!!これでカメラマンになれる」と、はしゃいだ!!
26歳で経験のない僕が勤まるほど甘い世界ではなかった.。
毎日、毎日、毎日、怒鳴られた。
3ヶ月しか続かなかった。
「やっぱりプロになるのって大変なことなんだ」と
思いっきり落ち込んだ。
しばらくして冷静に考えたら、
「カメラマンのアシスタントとしてダメだったわけで、
カメラマンとしてダメだったわけじゃないじゃん」ということに気づいた。
「だったら独学でやってみよう」と思った。
貧乏生活が始まって生活は不安定になったけど、こころは安定した。
数年間の貧乏生活の間、
決してあきらめなかったおかげで、やっとカメラマンになれた。
プロになってほんの数年で、嘘のように収入が増えた。
欲しいものをいくら買ってもお金は増えていく一方だった。
夢がかなって精神的に舞い上がっていた。
日々、自分がとても嫌なヤツになっていたことに気づかなかった。
一人、また一人と友人や仕事仲間が離れていった。
仕事も、人間関係も、家族も、とんでもないことになっていた。
今まであったものを失ってみて、初めて自分が何をしてきたのか気づいた。
自分がやってきたことを思い出しながら反省した。
自分が嫌になった。
数年後、仕事とはまったく関係のない写真で個展を開いた。
多くの人が喜んでくれた。
ものすごい数の手紙やメールを送ってくれた。
みんなが喜んでくれることで僕の心はとても満たされた。
こんなに心が満たされたのは僕の人生で初めての経験だった。
個展に来てくれた人の喜びの声のおかげで、
仕事をするということの本当の意味がやっとわかった気がした。
振り返ってみれば自分に起こるすべての出来事は、
自分にとってベストタイミングで起こっていた。
すべての人との出会いも偶然ではなかった。
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読みながら、いろいろ考えさせられた。
自分が「あと半年の命です」と言われたら、何をするだろうか。
ずーっと先のことを考えるから、「今」を越えられないんだな。
そんな風に思った。
最後に、作者からの質問があったので、載せます。
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● 今、何やってる時が一番楽しいですか?
● 何をして人に喜んでもらった時が、一番嬉しいですか?
● お金持ちはみんな幸福だと思いますか?
● もし、望みどおりの年収を死ぬまで保証されるとしたら、
それでも今の生活(仕事)をしていますか?
● 必ず成功するってわかっていたら何になりたいですか?
● お金は自由に使える立場で、
命があと1年だったら何をしたいですか?
● 今の生活を続けていって、いつか人生が終わる時に
「ああ、いい人生だったなぁ」って言えますか?
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