夜が更け、家の中は 静まり返っている。 聞こえるのは静かで確かな 命の音だけになった。 あなたが眠りについてから わたしはあなたの周りを巡りに巡り 夢よ安らかであれと 見守っている。 家の中に響くあなたの笑い声、 ご飯を食べた時のふとした温かい表情、 その光景がわたしにとって 何より嬉しい。 時折、あなたは疲れに追われて 泣いていたり眠れない夜がある。 そんな時わたしが出来るのは あなたの肩を撫で、眠れるようにする事。 そして、あなたの夢に少しだけ 現れて、そっと道しる
「からんからん。」「どたんばたん。」 もしも、誰もいないはずの部屋から 物音がしたら、 その正体はわたしです。 どうやら、日本でわたしは 座敷わらし という名前でお話の中に 閉じ込められているみたいです。 そのお話は少し窮屈で わたしは 「んん、ほんとうにいるのに」 と口をふくらませています。 わたしは、あそぶのが好きで よく家の中でかくれんぼをしています。 とても楽しいあまりに、 夜中でも続けていることがあります。 なので、夜中に笑い声が聞こえても 怖がらないでくださ