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アンパンマン「どうしたんだい、キモオタ?」

グレイテストショーマンを観た。

セッションをだいぶ前に見て数日前ラ・ラ・ランド観て今日グレイテストショーマンを観た。ラ・ラ・ランドも相当なミュージカル映画だったけど今作の方がより色濃かった印象。特にショーとミュージカルが同時に行われるシーンは圧巻の一言。ラ・ラ・ランドは結末で評価が別れそうだけどそこも今作は正統派なハッピーエンドで後味もスッキリ。これは別件だけど単純に19世紀という舞台が好きだ。アメリカにしてもヨーロッパにしてもあの時代はファッションから建築からなにからオシャレでたまらない。曇天。


台風の中配達をしたので当然ずぶ濡れになった。ずぶ濡れというか、車から降りて荷物を取り出してインターフォンを押したぐらいでもうプールに飛び込んだぐらい濡れて何も楽しくなかった。途中逆に楽しくなってショーシャンクの空にごっこをしていたが脱獄どころか労働中なので最終的にこれも何も楽しくなかった。

実家に泊まらなければならないのでそのままバイクで実家に向かった。途中まで小雨程度だったのでシールドを開けていたらなんの前触れもなく突然ぶっ壊れたかのように土砂降りやがったため雨が顔面から首を伝い合羽の内側から完全にびしょ濡れとなった。何も楽しくなかった。


実家で王様のブランチを観ていたら瞬間最大視聴率ランキングというのがいつのまにかつぶやかれた番組ランキングに、つまり現X (旧Twitter)でどれだけ言及されたかに変わっていて「ふーん」と思った。テレビとインターネット、特にSNSは謎の隔絶があったように記憶しているがテレビ制作側もなりふり構ってはいられないらしい。割と前からSNSの反応っつってハッシュタグつきの現ポスト (旧Tweet)を紹介してはいたが明確な指標として使われるようになったのか。テレビなのに、テレビをその瞬間観てる人がどれだけいたかではなくそれについて言及されてるかどうかを指標として扱う。ちょいとしたパラダイムシフトだ。主に制作のお偉いさんの頭の中が、だが。


言葉。

見る言葉。聴く言葉。

当たり障りの無い言葉でも人によってはより悪く、より良く再翻訳されることがある。はたまた、全く別の言葉であるかのように空中で変容してしまうこともある。コミュニーケーションの繰り返しでだんだんその人に向けた言葉の辞書ができていって、お互いに耳障りのいいコミュニーケーションが出来るようになっていく。仲良くなるという概念の見落とされがちなファクターでもある。仕草なんかもそうだ。人は自動的に相手にとって好ましい人に変化する。見た目では分からないが人は軟体生物に近い。

柔らかくなりすぎると自分本来の姿を忘れてしまい、戻れなくなってしまう。自分のための自分が消えてしまうのだ。だから時々は1人の時間を過ごしてあるべき姿を思い出さなければならない。その硬度の最もちょうどよいのは高校生の左キンタマくらい、つまりエナジードリンク味のハードグミくらいだといわれている。


端的に申しますと歳下の女の子を連れてド台風の中箱根を運転するという狂気オブ狂気を決行、畢竟結構楽しめた。ガラスの森美術館というのがヴェネツィア共和国をモチーフに作られており展示物も香水瓶……これがめちゃくちゃかわいい。ガラスの作品や演奏も楽しめた。特にジョン・レノンのimagineはチン毛生えかけの頃よく聴いてたのでかなりぶっ刺さった。ガラス作品は空間さえも利用したものがあったりして「綺麗なものはいいなあ」と当たり前のことを思った。美しいとはそれだけで価値がある。

美術館から出て驚いた。不思議なことに、美術館なんかを楽しんだ後はそこらへんのものが芸術作品のように見えてくる。特にガラス製品を見ると「ほう」と何をわかってるのかよくわからない感嘆の声もどきが出てしまう。今まではなんとも思わなかったガラスの艶、形、光の反射、模様が際立って見える。

バイクに乗り始めてから街中を走るバイクが「どっかのバイク」ではなく「あのメーカーがあの頃に出したあのバイク」として認識できるようになった。車も少々わかるようになってきた。智慧が脳に瞳を宿し、世界の解像度が上がっていく。何も知らなければ、何も楽しむ事は出来ない。世界の枝葉、その何もかもを蚕食してしまいたいと思った。


叩きつけるような暴風雨の中下りの峠道を走り、幾度となく頭上に「危」「死」「逝」の文字が浮かんだ。ハイブリット的な車なのでシフトレバーをガシャガシャ動かし回生ブレーキを頻繁に利用し配達で培ったコーナリングを披露した。ここでおじさんの脳内を覗けるスコープで彼の思考を読み取ってみよう。

(きたきたきた、おれ、運転うますぎ!台風の危うさが吊り橋効果を伴っておれを祝福している!見よ、このハンドル捌き、ブレーキング、ブレーキングがバッドじゃないのよ、ブレイキング・バッドじゃないのよ、おれのいいとこ、もっと見てええええええ!台風の気圧でめちゃくちゃ体調悪いのにも関わらずこのドライビングテクニック!かっこよすぎるぜ、おれ!)

スカした顔をしているがおじさんはかっこつけることしか考えていなかった。そのせいで普通に道を間違えるポカをやらかし、その度に左キンタマはわずかに震えるのであった。

その他の殆どの店が台風の為閉店しており頻繁に残念だった。台風4んでくれ

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